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  • 2026/06/29 掲載
「半年かかる」を数日に。JALが明かす「生成AI×現場主導アプリ」の破壊力
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「半年かかる」を数日に。JALが明かす「生成AI×現場主導アプリ」の破壊力

「半年コースですね」と言われた業務アプリが、わずか数日で完成する。生成AIの登場で、非エンジニアでも高度な開発ができる「EUC(エンドユーザーコンピューティング)」の波がJALグループに広がっている。現場の「なるはや」に応える裏で浮き彫りになった、自由とリスクの葛藤。AI時代に巨大組織が下した、システム構築の「真の境界線」について、JALデジタルの小林優祐氏が語った。

「半年コースですね」に現場は耐えられるのか

 日本航空(JAL)グループのデジタル中核を担い、安全運航を支えるミッションクリティカルなシステムを開発してきたJALデジタル。堅牢さを何より重んじてきたこの会社が、なぜいま、現場社員が自らアプリを作る「EUC(エンドユーザーコンピューティング)」へと舵を切ったのか。

 「きっかけは、客室部門との何気ない会話でした」と明かすのは、JALデジタル デジタル戦略部チーフの小林優祐氏だ。

「OJTの評価結果をいち早く把握するため、手作業の業務をアプリ化したいとIT部門に相談したのです。しかし、IT部門の回答は『モバイルアプリをゼロから作ることになります。要件定義から開発、検証まで含めると、半年はかかりますね』というものでした」(小林氏)

 品質を最優先するウォーターフォール型開発では、半年という見積もりは決して長くない。だが、現場が求めていたのは「なるはや」のスピードだった。実装は見送られ、現場からは「いつまで手作業でやるんですか」と落胆の声が上がった。IT部門の「高品質なシステム」と、いますぐ課題を解決したい現場の間には、埋めがたいギャップが存在していた。

 そんな折、あるクラウドベンダーのイベントで、小林氏はバス乗務員向けの評価アプリが、わずか2日間で完成したという事例を知る。

「こんなに早く作れるのか、と衝撃を受けました。これなら、自分たちにもできる──そう確信したのです」(小林氏)

 「半年」と「2日間」。この大きな落差が、JALデジタルをEUC支援へと突き動かした。

 とはいえ、航空会社にとって安全性と安定稼働は絶対の前提である。一歩間違えれば現場の混乱を招きかねない「現場主導のアプリ開発」を、彼らはどうやって全社へと広げていったのか?

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