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「人が頑張っても、もう守れない」ミュトスが突きつけた“完璧を諦める防御”
米政府の輸出規制を受け、提供元のアンソロピック社が一時、全利用者へのアクセスを停止した「Claude Mythos(クロードミュトス)」。規制は解除されたものの、異例の措置が注目を集めた背景には、サイバー領域で際立つ能力への警戒がある。脆弱性を見つけ、攻撃が成立するまで試行錯誤し、突破するまで「ほぼ0日」のAIが攻撃者に渡れば、企業の防御はどう変わるのか。横浜国立大学教授の吉岡克成氏と阿部一真氏が、迫り来る変化と、守る側に求められる新常識を読み解く。米政府が一時「封印」も…ミュトスが壊したセキュリティの常識
なぜ、1つのAIをめぐって政府まで動いたのか。その手掛かりとなるのが、Claude Mythosを始めとする近年のフロンティアAIの驚異的な能力だ。大量のコードから脆弱性を探すだけでなく、攻撃手法を組み立て、成功するまで自ら調整する。防御目的で開発された能力は、使い手が変われば「強力な武器」にもなり得る。
さらに深刻なのは、突出した攻撃を1つ作れることだけではない。一定水準の攻撃を、疲れることなく大量に生み出せる点にある。日本のサイバーセキュリティ研究を牽引する吉岡 克成氏らの観測では、新たな脆弱性の発見から攻撃までの猶予も、かつての「約60日」から「ほぼ0日」へ縮んだという。一方、企業では生成AIによってWebサービスやアプリが次々に作られ、守る対象まで増え続けている。
では、守る側も同じAIを使えば対抗できるのか。防御側では検知や分析の自動化が進む一方、復旧や経営判断には人の責任が残る。AIにどこまで任せ、どこから人が責任を持つのか。「100点のセキュリティ」を追う企業に2人が投げかけた、常識を覆す提言とは?