機能特化による低価格と高い信頼性が魅力のロードバランサ
過剰な機能より基本機能特化を求める市場の動き
「1台のサーバでは対応できない大量のリクエストを複数台のサーバに振り分けてレスポンスを向上させるというのが、数年前までのロードバランサ導入の主な目的でした。しかし昨今では、違う目的を掲げるユーザーが増えています。それは、ノンストップサービスの実現です。」
ロードバランサ導入の効果として、サービス継続性の向上は以前から謳われてきた。複数台のサーバにリクエストを振り分けることで、一部のサーバに障害が発生してもサービスを継続できるようになるからだ。それが近年改めて注目されている背景には、オンラインシステムの重要性が飛躍的に高まっていることが挙げられる。今やITをフィールドとしている企業に限らず、業務に欠かせないオンラインシステムを持つ企業が多い。こうしたシステムではレスポンスも重要だが、止まらず動き続けることがより重要視される。 「システムのノンストップ化を目指すサイトの多くは、求められる処理能力自体はそれほど高くありません。そのようなサイトでロードバランサに求められるのは、過剰な機能よりも、負荷分散の基本機能がしっかりしていて止まらないことです。」
執行氏はそう言い、ロードバランサを現在利用中の企業は、それが持つ機能をどれだけ活用しているか見直すことで、サイト運営のコストを最適化できるはずだと指摘する。高機能で高価格な製品は、保守費用も高額になる。その機種にしかない機能を使いこなしている場合はそのコストは無駄ではないが、基本的な負荷分散がメインの場合には基本機能に特化した製品の方がコスト面で大きく有利になる。たとえばファイアウォールやウイルス対策の機能を統合できるような高機能の製品も見られるが、すでにネットワーク上にファイアウォールやウイルス対策製品が導入されていれば重複投資になってしまう。また、携帯電話向けのセッション維持機能などはかつては重宝した機能かもしれないが、ほとんどの携帯電話がCookieに対応した現在では活かされるシーンは少ない。市場の変化に合わせて必要な機能の変化も見極めることが、過剰投資を避ける最初の一歩になる。
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