“枯れた”テクノロジーでOSのない世界を実現するオラクルのクラウド戦略--日本オラクル 龍野智幸氏インタビュー
目指す企業システムの姿を明確にし、必要なテクノロジーを知ることが重要
クラウドのメリットとされる「俊敏性」や「コスト最適化」は、「事業の継続性」が担保されてはじめて意味を持つ。では、事業継続性を担保したうえで、これらの要件を満たしたシステムをクラウドで実装した企業は存在するのか。日本オラクル Fusion Middleware事業統括本部 ビジネス推進本部 本部長 龍野智幸氏は、大手金融機関であるクレディ・スイスのプライベートクラウド構築の例を出して、次のように説明する。
「クレディ・スイス様の場合、200を超えるアプリケーションを集約稼働させることで、劇的に少ない数のサーバ上で動作させることに成功しています。一方で、単にサーバ仮想化にとどまらない取り組みの結果として、アプリケーションの稼働率と処理能力の向上を図りながら、同時に、オペレーションやプロジェクトにかかるコストは30~35%削減されています。これが、適切なテクノロジーを採用して構築したクラウドの姿なのです」(龍野氏)
ただし、龍野氏はクラウドを支える技術について、次のようにも語る。
「まったく新しいテクノロジーが出てきて、ユーザーのクラウド環境を一足飛びに変えてしまうことはありません。これまでに培われてきた“枯れた技術”も、クラウドのために適正化あるいは調整されて活用されるのです」(龍野氏)
したがって、クラウドを検討している企業は、ベンダーが語る夢のようなクラウドストーリーにのせられることなく、自社が目指す企業システムの姿を明確にし、その実現に必要なテクノロジーをしっかりと学び、理解することが重要だと、龍野氏は語る。
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