元東急ハンズ・メルカリCIO長谷川秀樹氏が指南、イケてるDX企業になる4つのステップ
「オンラインの住人になること」が重要なワケ
DXというキーワードが世間を賑わせてから数年が経つ。しかし、「DXとは一体どういうものか」という問いに対する明確な答えはない。ロケスタ 代表取締役社長の長谷川秀樹氏は、「DXとは、働く人すべてがオンラインの住人となり、滑らかにすべての業務がつながっている状態を作ることだと言えるかもしれません。私の在籍していたメルカリをはじめ、デジタルネイティブ世代の立ち上げたスタートアップやベンチャー企業はこのDXを実現しています」と話す。
長谷川氏が語るDXを実現している企業は、旧来型の企業とは比べ物にならないほど生産性が高い。たとえば、社内会議において議事録をとる場面を想像してほしい。両社の働き方は明確に異なる。
旧来型の企業の場合、会議があると、作成した議事録ファイルを関係者にメールで共有し、内容の確認が取れた時点でようやく議事録が完成する。一方、業務すべてがオンライン上で完結している企業であれば、1つの議事録に参加者全員が同時にアクセスし、会議中に書き込みを行うことで、その後の発言者に対する確認作業などのプロセスも無くなる。このように、すべての業務がデジタルで完結すると、まったく異なる働き方を実現できるのだ。
とはいえ、いきなりすべての業務をオンライン上で完結できるような環境を作ることは簡単なことではない。かといって単にコミュニケーションツールや業務アプリを導入するだけでは、セキュリティ上の問題から、どうしてもアクセスする場所の制約が残ってしまう。どこからでも安全に働けてこそ、オンラインの住人としての働き方と言え、そうした働き方を実現するために、まずは安全なセキュリティとネットワークを確保する必要があるのだ。
このように、DXを推進する際、「どの領域から整備するのか」といった手順を間違えないことが重要になるのだ。ここからは、長谷川氏が提唱するDX実現のための「4つのステップ」を紹介したい。
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