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  • 2023/07/13 掲載

ドコモ「EVバイクシェア」の勝算は? 電動キックボードLuupキラーとなれるか、新車両投入の思惑

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全国各地で自転車シェアリングを展開しているNTTドコモグループのドコモ・バイクシェアが、5月29日、新たに電動3輪モビリティのシェアリングサービス「東京EVバイクシェア」を始めた。直近では、一定の基準を満たした電動キックボードなどが7月1日の改正道路交通法の施行によって16歳以上であれば運転免許がなくても乗れるようになり、利用のハードルが下がる中、運転免許が必要な“EVバイク”には勝算があるのだろうか。見え隠れする新車両投入の思惑とは。

モビリティジャーナリスト 森口 将之

モビリティジャーナリスト 森口 将之

1962年東京都生まれ。早稲田大学卒業後、出版社編集部を経て1993年にフリーランスジャーナリストとして独立。国内外の交通事情・都市事情を取材し、雑誌・テレビ、ラジオ・インターネット・講演などで発表。2011年には株式会社モビリシティを設立し、モビリティやまちづくりの問題解決のためのリサーチ、コンサルティングを担当する。著書に『MaaSが地方を変える 地域交通を持続可能にする方法』『MaaS入門 まちづくりのためのスマートモビリティ戦略』『これから始まる自動運転 社会はどうなる!?』『富山から拡がる交通革命』『パリ流環境社会への挑戦』など。

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ドコモ・バイクシェアが5月29日に開始した「東京EVバイクシェア」
(出典:「東京EVバイクシェア」公式HPより引用)

ドコモの自転車シェアリング事業、実は10年以上前から

 NTTドコモと言えば、多くの人が携帯電話キャリアの最大手として認識しているだろう。しかし最近は、自転車シェアリングの大手事業者としても知られるようになった。

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ドコモ・バイクシェアが提供するバイクシェアサービス。この赤い車両を街中で見たことがある人も多いだろう
(写真:筆者撮影)

 ドコモがこの事業に取り組み始めたのは2010年。フランスのパリで大規模な自転車シェアリング「ヴェリブ」が導入された3年後のことで、翌年まず神奈川県横浜市の「ベイバイク」として実証実験を開始。続いて東京都内のいくつかの区でも展開を始めると、拠点を増やすとともに本格サービスに移行していった。

 「ドコモ・バイクシェア」というNTTドコモから独立した法人の設立は2015年。翌年、それまで独立して運営してきた東京都内の都心4区の自転車シェアリングの相互乗り入れを実現した。

 現在は東京23区の半分以上にあたる15区のほか、大阪市や広島市など合わせて25地域で展開している。またサービスの運営は行わず、システム提供のみを行う事例もあり、北海道札幌市や石川県金沢市など24地域に提供。両方合わせると北は北海道から南は沖縄県まで進出している。

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ドコモ・バイクシェアがシステム提供する金沢市の公共シェアサイクルサービス「まちのり」
(写真:筆者撮影)

仕組みを知れば納得、そもそもなぜ通信会社が?

 自転車シェアの仕組みは、車両本体に通信、GPS、遠隔制御の機能をすべて搭載するというもの。車両を置くポート側の設備や導入コストを削減し、省スペースを実現したことが特色となっている。

 この説明でもお分かりのように、ドコモが自転車シェアに進出したのは、自前で通信ネットワークを持っていることが大きい。同じ携帯電話キャリア大手のソフトバンクも、グループ企業OpenStreetが「HELLO CYCLING」として全国展開しており、日本ではこの2つのサービスがツートップ状態になっている。

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「HELLO CYCLING」のシェアサイクルステーション
(出典:OpenStreet プレスリリース)
【次ページ】自動運転などモビリティの幅広げるドコモ、新車両投入の思惑とは?

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