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- 2023/07/13 掲載
ドコモ「EVバイクシェア」の勝算は? 電動キックボードLuupキラーとなれるか、新車両投入の思惑
1962年東京都生まれ。早稲田大学卒業後、出版社編集部を経て1993年にフリーランスジャーナリストとして独立。国内外の交通事情・都市事情を取材し、雑誌・テレビ、ラジオ・インターネット・講演などで発表。2011年には株式会社モビリシティを設立し、モビリティやまちづくりの問題解決のためのリサーチ、コンサルティングを担当する。著書に『MaaSが地方を変える 地域交通を持続可能にする方法』『MaaS入門 まちづくりのためのスマートモビリティ戦略』『これから始まる自動運転 社会はどうなる!?』『富山から拡がる交通革命』『パリ流環境社会への挑戦』など。
ドコモの自転車シェアリング事業、実は10年以上前から
NTTドコモと言えば、多くの人が携帯電話キャリアの最大手として認識しているだろう。しかし最近は、自転車シェアリングの大手事業者としても知られるようになった。ドコモがこの事業に取り組み始めたのは2010年。フランスのパリで大規模な自転車シェアリング「ヴェリブ」が導入された3年後のことで、翌年まず神奈川県横浜市の「ベイバイク」として実証実験を開始。続いて東京都内のいくつかの区でも展開を始めると、拠点を増やすとともに本格サービスに移行していった。
「ドコモ・バイクシェア」というNTTドコモから独立した法人の設立は2015年。翌年、それまで独立して運営してきた東京都内の都心4区の自転車シェアリングの相互乗り入れを実現した。
現在は東京23区の半分以上にあたる15区のほか、大阪市や広島市など合わせて25地域で展開している。またサービスの運営は行わず、システム提供のみを行う事例もあり、北海道札幌市や石川県金沢市など24地域に提供。両方合わせると北は北海道から南は沖縄県まで進出している。
仕組みを知れば納得、そもそもなぜ通信会社が?
自転車シェアの仕組みは、車両本体に通信、GPS、遠隔制御の機能をすべて搭載するというもの。車両を置くポート側の設備や導入コストを削減し、省スペースを実現したことが特色となっている。この説明でもお分かりのように、ドコモが自転車シェアに進出したのは、自前で通信ネットワークを持っていることが大きい。同じ携帯電話キャリア大手のソフトバンクも、グループ企業OpenStreetが「HELLO CYCLING」として全国展開しており、日本ではこの2つのサービスがツートップ状態になっている。
【次ページ】自動運転などモビリティの幅広げるドコモ、新車両投入の思惑とは?
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