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- 2025/11/07 掲載
王者いすゞ崩れる…?誕生した「日野×三菱ふそう」が仕掛ける“トラック戦争”の勝敗
執筆のメインフィールドは自動車関係。新車紹介から人物取材、メカニカルなレポートまで幅広く対応。特にインタビューを得意とする。見えにくいエンジニアリングやコンセプト、魅力などを分かりやすく説明できるよう心掛けている。年間3~4回の海外モーターショー取材を実施。レース経験あり。毎月1回のSA/PAの食べ歩き取材を約10年経験。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員、自動車技術会会員、環境社会検定試験(ECO検定)。
日野・三菱ふそうの特徴は?その実力とは
今回の2社の統合を理解する上で、知っておくべきは、登場するそれぞれのプレイヤーの特徴と関係でしょう。まず、統合に直接関係するのが、日野、トヨタ、三菱ふそう、ダイムラートラックの4社です。日野自動車は、1910年に設立した東京瓦斯工業株式会社を前身とし、1942年に日野重工業株式会社となり、それから80年以上にわたって日野ブランドを守ってきた歴史あるメーカーです。トヨタとの関係は深く、1966年の業務提携に始まり、2001年からは子会社として、共に歩んできました。販売の内訳は、小型トラックが半分で、残りが中型と大型トラックなどだ。
ただし、2022年にエンジン認証に関する不正が発覚し、信用だけでなく、販売数も大きく棄損しました。また、この不正が、今回の統合のキッカケになっていると考えて間違いありません。2019~2024年の平均実績では、年間販売台数は15万台。従業員数は3万人以上もいます。
そんな日野の親会社となるのは、ご存じトヨタ。フルラインナップの自動車メーカーとして、商用車も数多く手がけており、LCV(ライトコマーシャルビークル)のピックアップトラックなども数多く生産しています。日野がトラックを担当し、その下の小さい商用車をトヨタが担い、さらに小さい軽自動車の商用はダイハツが担当するという、住み分けになっているわけです。
一方、三菱ふそうは、もともと三菱自動車の一部門であったのが、2000年代のリコール隠し問題で2003年に分社化され、2005年から、当時、三菱自動車とアライアンス関係だったダイムラー・クライスラーの傘下に移籍します。販売の7割が小型トラックです。2019~2024年の平均実績では年間販売台数が約12万台、従業員は1万人以上います。
その三菱ふそうの親会社となるのがダイムラートラックです。ダイムラートラックは、ダイムラー社の一部門から2019年に分離独立した商用車メーカーです。世界トップクラスの規模を誇る商用車メーカーであり、得意とするのは大型トラック。つまり、小型トラックを得意とする三菱ふそうとは、ラインナップを補完する良い関係と言えるでしょう。
10月の統合の概略説明においては、今後の生産拠点のリストラも説明されました。日野は、小型トラックを生産していた羽村工場をトヨタに移管すると発表しています。そのため、統合後は中型/大型を増やしていくことが予想されます。
一方、三菱ふそうは部品生産を作っていた中津工場を清算して、車両生産を行う川崎製作所に移管すると説明されました。小型車を得意とする三菱ふそうは、その割合を変えずに続くのではないでしょうか。
ライバルはどれだけ強い? いすゞ・UDトラックスの実力は?
そんな日野と三菱ふそうのライバルとなるのが、いすゞ自動車です。いすゞは、1916年創業を誇る日本最古の自動車メーカーです。かつては乗用車も生産していましたが、2000年代からは商用車に専念するようになりました。その結果、現在は年間販売台数約54万台(2024年実績)、従業員4万人以上という、国内トップの商用車メーカーに成長しました。
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