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  • 2023/10/16 掲載

【日本企業のDX意識調査】結果まとめ、担当者が共感する“あるある課題”の第1位とは

連載:第4次産業革命のビジネス実務論

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2023年9月、デジタルトランスフォーメーション(DX)推進の支援、コンサルティングなどを行うINDUSTRIAL-Xは、2020年、2021年、2022年に続いて実施した「DX実現に向けた課題と意向調査2023年版」の結果を発表しました。今回は、この調査で明らかになった、日本企業のDX推進の課題や必要となる新たな検討事項の変化などについて見ていきます。

執筆:東芝 福本 勲

執筆:東芝 福本 勲

東芝 デジタルイノベーションテクノロジーセンター チーフエバンジェリスト
アルファコンパス 代表
中小企業診断士、PMP(Project Management Professional)
1990年3月 早稲田大学大学院修士課程(機械工学)修了。1990年に東芝に入社後、製造業向けSCM、ERP、CRM、インダストリアルIoTなどのソリューション事業立ち上げやマーケティングに携わり、現在はインダストリアルIoT、デジタル事業の企画・マーケティング・エバンジェリスト活動などを担うとともに、オウンドメディア「DiGiTAL CONVENTiON」の編集長をつとめる。主な著書に『デジタル・プラットフォーム解体新書』『デジタルファースト・ソサエティ』(いずれも共著)がある。その他Webコラムなどの執筆や講演など多数。また、企業のデジタル化(DX)の支援/推進を行うコアコンセプト・テクノロジーなどのアドバイザーをつとめている。

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日本企業のDX意識調査の結果から見えてきた課題とは…?
(Photo/Getty Images)

「DX実現に向けた課題と意向調査」とは?

 INDUSTRIAL-Xは、DX推進に必要なさまざまなリソースをスピーディに提供することによって、企業および自治体の次世代型事業への構造変革を支援する「Resource as a Service(RaaS)」ビジネスを行っている企業です。

 同社が「DX実現に向けた課題と意向調査」を2020年から毎年継続して実施している目的は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響が長期間におよぶ中で、企業におけるDX推進状況の変化を明らかにすることと、コロナウイルス感染症が収束に向かう中で、DXへの取り組みに資するデータを提供することにあります。

 本調査は、調査モニターを用いたインターネット定量調査にて、2023年6月27日~6月28日に実施し、大手・中堅・中小企業ごとに206名ずつ合計618名(昨年2022年は合計618名)から回答を得ています。

調査結果(1):「DX」自体の認知度

 DXの認知に関する調査結果を見ると、DXの内容まで知っている人は36.1%であり、未だ3分の1程度であるものの、2021年(17.6%)、2022年(32.8%)と比べると年々増加しています。

 一方、「初めて聞いた/知らない」または「単語を聞いたことがある程度」の合計が2021年は80%を超えており、2022年の調査結果では67.2%でしたが、63.9%まで減少しています。

 依然としてDXの認知が高いとは言えないものの、DXに関する認知・理解が年々進んできていると言えるのではないでしょうか。

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DXの認知度
(※)グラフの数値は、現在(2023年6月)についてのDXの認知(いずれも単数選択)の回答割合
(出典:INDUSTRIAL-X「DX実現に向けた課題と意向調査2023」)

調査結果(2):DXに取り組む企業の割合

 DXへの取り組み状況について、現在(2023年6月)と2022年上半期(2021年4月~9月時点を振り返る形で回答)それぞれについて回答を得た結果、DXに取り組んでいる企業の割合は昨年と比べて増加していることが分かります。

 昨年の時点でDXに取り組んでいた企業の割合(「全社的に取り組んでいた」、「各部署ごとに取り組んでいた」、「一部の部署だけで取り組んでいた」の合計)は50.0%ですが、現在取り組んでいる企業は55.4%であることから、昨年に比べるとわずかですがDXの取り組みが広がっていることが分かります。

 また、「全社的に取り組んでいる」企業の割合が、19.7%から23.6%と3.9ポイント増加しており、これまでは各部署ごと、または一部の部署で推進されていたDXの取り組みが、全社的な取り組みに広がっていることが推察できます。

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DXへの取り組み状況
(※)グラフの数値は、昨年上半期(2022年4月~9月)、現在(2023年6月)それぞれのDXへの取り組み状況(いずれも単数選択)の回答割合
(出典:INDUSTRIAL-X「DX実現に向けた課題と意向調査2023」)

調査結果(3):何を目指してる? 企業がDXに取り組む目的

 DXへの取り組みと狙いについて、2022年上半期(2021年4月~9月)時点と現在について回答を得た結果、いずれも最も多いのは「コスト削減」(2022年 59.5%→2023年 55.7%)となっており、2020年、2021年、2022年に続き4年連続でトップに挙がっています。

 続いて多いのは「品質・操業改善」(2022年 35.6%→2022年 33.8%)となっており、こちらも4年連続でトップ3に入っています。今でもなお、DXがもたらす効果は既存の業務プロセスの延長線上にあるものだと考えている日本企業が多いことを示していると考えられます。

 一方、事業を成長させることに寄与する「新規事業拡大」(2022年 8.7%→2023年 12.2%)、「売上向上」(2022年 20.4%→2023年 23.6%)が大きく増加しており、「顧客獲得」(2022年 19.1%→2023年 20.4%)、「ビジネスモデル変革」(2022年 18.1%→2023年 18.7%)も微増しています。

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DXへの取り組みとねらい
(※)グラフの数値は、昨年上半期(2022年4月~9月)、現在(2023年6月)それぞれについてのDXへの取り組みとねらい(いずれも3つまで選択)の回答割合
(出典:INDUSTRIAL-X「DX実現に向けた課題と意向調査2023」)

 DXの本質である、自社の立ち位置と提供価値そのものを進化・変化させることに意識を向けつつある企業が増加しており、DXの本質的な取り組みへのシフトが進んでいると考えられます。これは、個々の組織がサイロ的に取り組みを進めても効果が得にくいと認識した企業が増加したためではないかと思われ、この結果、DXの取り組みが全社的な取り組みに広がったのではないかと推察します。

 企業のDXへの意識は、事業を成長させることと、既存ビジネスの延長線上での効率化を進めることに二極化していることが伺えます。

 「テレワーク対応」(2022年 16.5%→2023年 9.9%)などは昨年に引き続き減少しています。新型コロナへの対応のための取り組みは落ち着きを見せていると言えるのではないでしょうか。 【次ページ】調査結果(4):各社は何に躓いている?DXの課題

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