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  • 2022/09/05 掲載

【DX調査】予算・人員確保が難しい?日本企業の担当者600人に聞く「DXが進まない理由」

連載:第4次産業革命のビジネス実務論

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2022年8月、デジタルトランスフォーメーション(DX)推進の支援、コンサルティングなどを行うINDUSTRIAL-Xは、2020年、2021年に続いて実施した「DX実現に向けた課題とコロナ禍における意向調査 2022年版」の結果を発表しました。今回は、この調査で明らかになった、日本企業のDX推進の課題や必要となる新たな検討事項の変化などについて見ていきます。

執筆:東芝 福本 勲

執筆:東芝 福本 勲

東芝 デジタルイノベーションテクノロジーセンター チーフエバンジェリスト
アルファコンパス 代表
中小企業診断士、PMP(Project Management Professional)
1990年3月 早稲田大学大学院修士課程(機械工学)修了。1990年に東芝に入社後、製造業向けSCM、ERP、CRM、インダストリアルIoTなどのソリューション事業立ち上げやマーケティングに携わり、現在はインダストリアルIoT、デジタル事業の企画・マーケティング・エバンジェリスト活動などを担うとともに、オウンドメディア「DiGiTAL CONVENTiON」の編集長をつとめる。主な著書に『デジタル・プラットフォーム解体新書』『デジタルファースト・ソサエティ』(いずれも共著)がある。その他Webコラムなどの執筆や講演など多数。また、企業のデジタル化(DX)の支援/推進を行うコアコンセプト・テクノロジー、国内トップシェアの帳票・BIソフトウェアベンダーであるウイングアーク1stなどのアドバイザーをつとめている。

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2022年DX意識調査の結果とは? 日本企業のDXは道半ば?
(Photo/Getty Images)

「DX実現に向けた課題とコロナ禍における意向調査」とは

 INDUSTRIAL-Xは、DX推進に必要なさまざまなリソースを提供することによって、企業および自治体の次世代型事業への構造変革を支援する「Resource as a Service(RaaS)」ビジネスを行っている企業です。

 同社が「DX実現に向けた課題とコロナ禍における意向調査」を2020年から毎年継続して実施している目的は、新型コロナの影響が長期間に及ぶ中で企業におけるDX推進状況の変化を明らかにすることと、DXへの取り組みに資するデータを提供することにあるとのことです。

 本調査は、調査モニターを用いたインターネット定量調査にて、2022年6月22日~6月23日に実施し、大手・中堅・中小企業別206名ずつ合計618名(昨年2021年は合計500名)から回答を得ました。

 ここからは、調査結果をもとに日本企業の課題を見ていきます。


あまり知られていない? DX自体の認知度

 DXの認知に関する調査結果を見ると、DXの内容まで知っている人は32.8%であり、未だ1/3程度であるものの、昨年の調査結果(17.6%)と比べると15ポイント程度増加しています。

 一方、「初めて聞いた/知らない」または「単語を聞いたことがある程度」の合計が昨年の調査結果では80%を超えていましたが、67.2%まで減少しています。

 依然としてDXの認知が高いとは言えないものの、昨年比ではDXに関する理解が進みはじめていると言えるのではないでしょうか。

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DXの認知
(※)グラフの数値は、現在(2022年6月)についてのDXの認知(いずれも単数選択)の回答割合
(出典: INDUSTRIAL-X「DX実現に向けた課題とコロナ禍における意向調査 2022年版」)

 DXの認知が高くないのは、DXと従来のIT化やデジタル化との区別がついていない人が多いことを示していると思われ、これが、後述するDXへの取り組みと狙いの調査結果で、既存の業務プロセスの延長線上にあるものだと考えている日本企業が多いことの一因になっていると考えられます。

 DXへの取り組み状況に関する調査結果を見ると、DXに取り組んでいる企業の割合は昨年と比べて増加していることが分かります。本調査では、DXへの取り組み状況について、2021年上半期(2021年4月~9月)時点(当時を振り返る形で回答)と現在(2022年6月)それぞれについて回答を得ています。

 昨年の時点でDXに取り組んでいた企業の割合(「全社的に取り組んでいた」、「各部署ごとに取り組んでいた」、「一部の部署だけで取り組んでいた」の合計)は47.2%ですが、現在取り組んでいる企業は53.4%であることから、昨年に比べると少しずつDXの取り組みが広がってきていることが分かります。

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DXへの取り組み状況
(※)グラフの数値は、昨年上半期(2021年4月~9月)、現在(2022年6月)それぞれのDXへの取り組み状況(いずれも単数選択)の回答割合
(出典:INDUSTRIAL-X「DX実現に向けた課題とコロナ禍における意向調査 2022年版」)

回答1位は「コスト削減」、企業のDXの目的とは

 2021年上半期(2021年4月~9月)時点と現在のDXへの取り組みと狙いについての回答結果を見ると、最も多いのは「コスト削減」(2021年 55.1%→2022年 53.0%)となっており、2020年、2021年に続き3年連続でトップになっています。

 続いて多いのは「品質・操業改善」(2021年 32.5%→2022年 30.9%)となっており、今でもなお、DXがもたらす効果は既存の業務プロセスの延長線上にあるものだと考えている日本企業が多いことを示していると考えられます。

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DXへの取り組みとねらい(取り組み経験ありベース)
(※)グラフの数値は、昨年上半期(2021年4月~9月)、現在(2022年6月)それぞれについてのDXへの取り組みとねらい(いずれも3つまで選択)の回答割合
(出典:INDUSTRIAL-X「DX実現に向けた課題とコロナ禍における意向調査 2022年版」)

 一方、事業を成長させることに寄与する「新規事業拡大」(2021年 11.3%→2022年 17.3%)が大きく増加していることが今年の特徴であり、「売上拡大」(2021年 25.0%→2022年 26.4%)、「顧客獲得」(2021年 20.9%→2022年 21.2%)、「ビジネスモデル変革」(2021年 19.5%→2022年 21.5%)も微増しています。

 DXの本質である、自社の立ち位置と提供価値そのものを進化・変化させることに意識を向けつつある企業が増加しており、DXの本質的な取り組みへのシフトが始まった可能性があると考えます。また、企業のDXへの意識は、事業を成長させることと、既存ビジネスの延長線上での効率化を進めることに二極化していることが伺えます。

 一方、「テレワーク対応」(2021年 23.3%→2022年 17.0%)などは減少しており、新型コロナへの対応のための取り組みは落ち着きを見せていると言えるのではないでしょうか。

【次ページ】人員不足? 予算? 企業が抱えるDXの課題とは

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