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- 2025/04/22 掲載
「イーロンが嫌われすぎた」だけじゃない、テスラの「凋落」が始まった本当の背景
株価はピーク時の「半額」までに……
テスラの株価は2024年の米大統領選挙の直後に急騰、一時は500ドルに迫る勢いだった。しかし4月現在は250ドル前後とピーク時の半額近くとなっている。株価の高騰は、テスラCEOであるイーロン・マスク氏が肩入れしてきたドナルド・トランプ大統領が当選となり、マスク氏が目指した規制緩和でロボタクシーなど自動運転の導入が容易となり、テスラのシェアが広がると楽観視されたことが大きい。
ところが、トランプ政権は関税の引き上げなど自由貿易に反する方向に舵を取り、メキシコにも工場を置くテスラの利に反する内容となっている。こうした経済的側面、そしてトランプ氏を後押ししたマスク氏への反感などから、世界中でテスラへのボイコット運動が起き、株価を押し下げる結果につながっている。
「反感」織り込み済みの予測すら下回った販売台数
テスラは肝心の販売台数も低迷している。そもそも2024年の販売台数は2023年比で1%減と、テスラが快進撃を開始して以来、初めての減少となった。そして2025年Q1の数字は33万6681台(うち北米では12万4657台)で、2024年Q4からは32%、2024年Q1からは13%減という数字になった。この数字はテスラへの反感を織り込んだアナリスト予測の「35万台」をも下回る衝撃的な結果とも言える。

原因には、やはりイーロン・マスク氏の言動への反感が挙げられる。
もともとEVや再利用可能なロケット開発、大型蓄電池による再生エネルギー利用などを推進してきたマスク氏には、リベラル派からの支持が強かった。「マスクが何かをすればするほど環境に良い結果をもたらす」と語っていた人権派弁護士など、その支持層は主に民主党を支持する人と重なっていた。
ところが突然のトランプ支持と、過剰なほどの現金をつぎ込む選挙戦の応援で、様相は一変した。 【次ページ】「絶対に許さない」マスク氏の嫌われ度は加速
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