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- 2025/10/30 掲載
「四角いペットボトル」が地味に増加中…キリンら続々採用も「複雑すぎる裏事情」
連載:「日本の物流現場から」
Pavism 代表。元トラックドライバーでありながら、IBMグループでWebビジネスを手がけてきたという異色の経歴を持つ。現在は、物流業界を中心に、Webサイト制作、ライティング、コンサルティングなどを手がける。メルマガ『秋元通信』では、物流、ITから、人材教育、街歩きまで幅広い記事を執筆し、月二回数千名の読者に配信している。
積載効率25%改善など、四角いボトルの「特大メリット」
ペットボトルは、通常6本、12本、24本といった単位で外装箱に詰められ工場から出荷される。外装箱に詰められた丸い(円柱状)ペットボトルを上から見ると、ペットボトル同士は線で接し、その間には菱形状の隙間ができてしまう(画像参照)。対して、四角いペットボトルを外装箱に詰めると、ペットボトル同士は面で接し、お互いの間には最小限の隙間しか生じない。四角いペットボトルとはいえ、その角は直角ではないため若干の隙間が生じるが、それでも丸いペットボトルで生じる隙間よりは、はるかに小さい。
こういった事情により、四角いペットボトルは外装箱に詰められたときの荷姿を小さくできる。これによって生じるメリットはいくつかある。
「生茶」ブランド(キリンホールディングス)では、ペットボトルを四角くした「グリーンエコロジーボトル」を採用した結果、外装箱の段ボール使用量を約10%削減、環境対策に貢献した。
また「キリン 生茶」「キリン 生茶 ほうじ煎茶」の525ミリリットル商品の場合、1パレット当たりの積載ケース数が48ケース(8面×6段)から60ケース(10面×6段)へと向上、積載効率を25%も向上させることができた。
同様に「サントリー天然水」1リットル(サントリー食品インターナショナル)も、丸いペットボトルから四角いペットボトルに変更。1パレット当たりの積載ケース数が50ケースから60ケースへと約2割の積載効率向上を実現し、輸送効率は1割程度向上するという。
四角いボトルへの変更は「そんな簡単な話じゃない」
このように四角いペットボトルは積載効率の向上などメリットは大きいが、スーパーマーケットなどの売り場を見れば、まだまだ丸いペットボトルを採用した商品のほうが多い。実は、丸いペットボトルから四角いペットボトルに変更することは、案外ハードルが高いのだ。これにはいくつか理由がある。
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