- 2026/08/13 07:10 掲載
IT部門任せでは失敗する…? ガートナーが突くAIエージェント開発の“致命的な盲点”
製造業・自販機の国が迎えるソフトウェア自動化“第2の波”
製造業のロボット、あらゆる商品を扱う自動販売機、実証が進む自動運転バスなど、日本は古くから自動化に積極的に取り組んできた。ガートナーのディスティングイッシュト バイス プレジデント、アナリストのジェーソン・ウォン氏は、「日本には自動化の豊かな歴史があります。今、私たちはそれをソフトウェアに適用しようとしています」と話す。従来のソフトウェアは、あらかじめ決められた手順通りに動くものだった。条件が満たされれば、事前に決めた処理を実行する。しかし生成AIの登場で状況は変わった。AIは推論し、計画を立て、行動する。プログラムされた手順でなく、目標に向かって自律的に判断する。
ガートナーはAIエージェントを「目標達成のため、状況に応じた意思決定を行い、AI手法でアクションを起こす、自律的または半自律的なソフトウェア」と定義する。目標という「決定論的な結果」と、そこに至る「非決定論的な経路」。この2つの性質を併せ持つことが特徴だ。エージェントは環境を感知し、ツールを使って行動する。その結果が環境に影響を与え、また感知する。このフィードバックループが自律性を生む。
既製品でも1から開発でもない、ガートナー注目“第3の手段”
企業がAIエージェントを手に入れる方法は、大きく購入と自社構築に分けられる。購入する場合は業種別や部門別の既製エージェントがある。自社で構築する場合は、オープンソースのフレームワークや開発プラットフォームを使う。ウォン氏が注目するのが、ビジネスユーザーや市民開発者が使える「ノーコード・エージェント・ビルダー(NCAB)」だ。これは、コードを一切書かずに生成AIエージェントを構築、公開、管理できる統合環境をSaaSで提供するプロダクトである。
開発手法には大きく分けてプロコード、ローコード、ノーコードがある。プロコードはコードに直接アクセスできる柔軟性を持つ。ローコードは部品を組み合わせつつ、必要に応じてコードを追加できる。ノーコードはコードが完全に抽象化されており、開発者はコードを見る必要もレビューする必要もない。ツールが構築方法を規定しており、誤った設定やリスクのある操作を防ぐガードレールが本質的に組み込まれている。
NCABのターゲットは、ビジネス部門の担当者の中でも、技術に関心を持ち自ら開発したいという意欲のある人たちだ。ビジネス課題を理解し、ワークフローを熟知する人たちが、このツールで半自律的または自律的なソフトウェアを作り、問題を解決する。 【次ページ】なぜ「完全な自律走行車」を目指してはいけないのか?
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