企業が扱うデータ量は年々増加している。実際にストレージ製品の出荷量は、年率1.5~1.6倍で増加しているというデータもある。画像や動画などのデータそのもののリッチ化、法的側面からのデータアーカイブの必要性などが背景にあるが、企業側の対応は必ずしも適切とはいえないと、TOKAIコミュニケーションズ データセンタ・ソリューション事業部 サービス企画部 サービス企画課の是永幸春氏は次のように説明する。
「データ量の増加に対応するため、ファイルサーバの増設を行う企業が増えています。しかし、サーバが増えると運用管理が煩雑になり、リソースを効率的に使用することが難しくなってしまいます。その結果、しばらくたつと再びストレージ容量が足りなくなり、ファイルサーバを増設するという負のスパイラルに陥っている企業が少なくありません」(是永氏)
この負のスパイラルをさらに加速させているのが、ハードウェアの低価格だ。ここ数年でハードウェアの低価格化が加速し、非常に安価にファイルサーバを購入できるようになった。その結果、安易にファイルサーバを追加する企業が増えている。
しかし、その結果は是永氏が指摘するようにファイルサーバの乱立だ。台数が増えるほどリソースの有効活用が困難になり、運用管理コストは増える。さらに、耐障害性は低下し、情報漏えいのリスクも増大する。
この負のスパイラルを断ち切る切り札として注目されているのが「クラウド」だ。クラウド上にあるファイルサーバサービスを利用して分散しているファイルサーバを統合し、必要なときに必要なだけのストレージ容量を確保しようとする企業が増えつつあるのである。
次ページのPoint
■柔軟な運用と高いセキュリティを実現する機能・仕様とは?
■実際のコストは?