株式会社プレイド 提供コンテンツ

  • スペシャル
  • 会員限定
  • 2019/06/19 掲載

「空回り」せず、顧客体験(CX)を企業戦略に落とし込んでいく方法

記事をお気に入りリストに登録することができます。
近年、急速に注目を集めているキーワードが「カスタマー・エクスペリエンス(CX)」である。「顧客体験」と訳されるCXは、これからの企業が最も重視すべきテーマとなりつつある。ただし、「CXとは何か」を十分に議論・認識せず「CXの向上」に取り組んでいる企業も少なくない。ではどうすれば良いのか──。自身の経験を基に昨秋『CX戦略』を著した野村総合研究所 田中達雄氏と、CXプラットフォーム「KARTE」を提供するプレイドの代表 倉橋健太氏に「CXの本質」を聞いた。

photo
「顧客体験」は単なるバズワード(流行り言葉)ではない。対談の中で見えてきた、その本質とは

空回りする日本企業のCX戦略

──最近はCXへの注目が高まり、「CXの向上」を経営課題として取り組む企業が増えてきました。こうした現状についてどう見ていますか。
photo
野村総合研究所
上級研究員
金融DXビジネスデザイン部
田中 達雄氏


田中氏:たしかにCXに取り組んでいるという企業は増えていますね。日本では、ロレアル、リクシル、マツダ、カルビー、メットライフ生命、ソニー損保、SMBC日興証券……などが取り組まれています。しかし、こうした大企業でさえも全社的・組織的に取り組めている企業は多くはありません。

 たとえば、最近、顧客ロイヤルティ指標の1つであるネットプロモータースコア(NPS®)を採用する企業が増えているようですが、従来の顧客満足度調査をNPS®調査に替えるだけではCXは向上しません。顧客接点での顧客体験をいち早く調査して、顧客へフィードバック(CXの専門用語で「クローズドループ」と呼ぶ)する必要があります。

 また、カスタマー・ジャーニーを書くことや割引クーポンを配布したり、商品のレコメンドをしたりすることがCXだと考えている方もいます。企業は「CXとは何か」「CXを企業の経営に生かすとはどういうことなのか」といったことを徹底的に議論するともに、正しく認識すること、マインドセットを変えることから始めなければならないのです。

photo
プレイド
代表取締役
倉橋 健太氏
倉橋氏:今後、世界中のサービスがボーダーレスに流通していくと、1人の消費者がタッチポイントを持てるサービスの総量は増加します。その結果、サービス提供側は、その中から選んでもらうというシビアな競争にさらされます。そのとき重要なのが、簡単に模倣できない優位性や価値が、サービスや事業に内包されているかどうかです。そこでキーとなるのがCXなのですが、AIやボットなどのテクノロジー主導で考えてしまう"手段の目的化"に陥る企業は少なくありません。そこは、経営がしっかりかじ取りする必要があると思います。

田中氏:倉橋さんが指摘されたことは、いろいろなところで起きています。たとえば、昨年、ある企業が「女性から支持される」ことを目標に、スマホのさらなる活用を検討したことがあります。当時、疑問に思ったのは、「なぜ、スマホありきなのか」ということでした。本来は「女性に支持されるとはどういうことか」を徹底的に調べたり、考えたりして、スマホが必要になれば、そのとき活用を考えれば良いのに、発想が逆になっていたのです。

倉橋氏:似たことは非常に多いですね。企業として取り組んでいないとマズいので取り組む。もしくは、同業他社が取り組んでいるのでウチも、というケースは少なくないと感じます。顧客を蚊帳の外に置いたこうした競争は、あまり本質的でありません。これまで、こうした競争があまりに多かったため、その揺り戻しとしてCXに注目が集まっているという見方もできるかもしれませんね。

「CXの向上」=「利益の向上」になるのか

──企業はCXに取り組む際、どのようなKPIを定めるべきなのでしょうか。

この記事の続き >>
・顧客ロイヤルティと株価には正の相関がある!?
・CXでまず手を付けるべきは「〇〇〇」
・CXに不可欠なのは原点回帰

この続きは会員限定(完全無料)です

ここから先は「ビジネス+IT」会員に登録された方のみ、ご覧いただけます。

今すぐビジネス+IT会員にご登録ください。

すべて無料!ビジネスやITに役立つメリット満載!

  • ここでしか見られない

    1万本超のオリジナル記事が無料で閲覧可能

  • 多角的にニュース理解

    各界の専門家がコメンテーターとして活躍中!

  • スグ役立つ会員特典

    資料、デモ動画などを無料で閲覧可能!セミナーにご招待

  • レコメンド機能

    ​あなたに合わせた記事表示!メールマガジンで新着通知

関連タグ



処理に失敗しました

人気のタグ

投稿したコメントを
削除しますか?

あなたの投稿コメント編集

機能制限のお知らせ

現在、コメントの違反報告があったため一部機能が利用できなくなっています。

そのため、この機能はご利用いただけません。
詳しくはこちらにお問い合わせください。

通報

このコメントについて、
問題の詳細をお知らせください。

ビジネス+ITルール違反についてはこちらをご覧ください。

通報

報告が完了しました

コメントを投稿することにより自身の基本情報
本メディアサイトに公開されます

必要な会員情報が不足しています。

必要な会員情報をすべてご登録いただくまでは、以下のサービスがご利用いただけません。

  • 記事閲覧数の制限なし

  • [お気に入り]ボタンでの記事取り置き

  • タグフォロー

  • おすすめコンテンツの表示

詳細情報を入力して
会員限定機能を使いこなしましょう!

詳細はこちら 詳細情報の入力へ進む

ブロック

さんはあなたをフォローしたりあなたのコメントにいいねできなくなります。また、さんからの通知は表示されなくなります。

さんをブロックしますか?

ブロック

ブロックが完了しました

ブロック解除

ブロック解除が完了しました

機能制限のお知らせ

現在、コメントの違反報告があったため一部機能が利用できなくなっています。

そのため、この機能はご利用いただけません。
詳しくはこちらにお問い合わせください。

ユーザーをフォローすることにより自身の基本情報
お相手に公開されます