求められるカーボンニュートラルやエシカル要件、サプライチェーンはどう変わるべきか
コロナ禍の先を見据えたサプライチェーンの課題
コロナ禍は多くの企業のサプライチェーンに甚大な影響を及ぼしている。巣ごもり需要の高まりを受けて売れ筋となった製品を増産したくても、必要な部品を調達することができず、作ろうにも作れない、売ろうにも売れない状況にある。そこで代替部品の利用なども検討されているが、これも容易なことではない。オープンテキスト ソリューションコンサルティング本部 リードソリューションコンサルタントの山本惟司氏は、「代替部品を利用するとなれば、設計段階から見直しをかけなければなりません。そもそもこれまで多くの製造業はコスト削減のために部品の調達先をできるだけ絞り込むという戦略をとっており、複数のサプライヤーから部品を調達するためには、新たなルートの開拓から始めなければなりません」と指摘する。
サプライチェーンを複雑にしているのは、コロナ禍に起因する混乱だけではない。“待ったなし”となった環境保護に対する法規制や国際合意を順守する必要があるほか、人権を無視した不当な労働力によって作られた製品を許さないなどエシカル(倫理的)な問題への対応も、企業にとっての大きなリスクとなっている。
たとえば未就学児を酷使して作られた原材料を調達した場合、それが仮にサプライチェーンの末端で行われたものであったとしても、「知らなかった」では通用しない状況となっているからだ。フランスの人権デューデリジェンス法やドイツのリーファーケッテンゲスツ(独サプライチェーン法)をはじめ、いまやエシカルなサプライチェーンへの対応は、自主規制からCSRの法規制へと移行しつつある。
「自社だけではコントロールしきれない広範なサプライチェーンにおいて、こうした環境保護やエシカルな要件におけるコンプライアンスをいかに満たしていけば良いのか。現在の企業にとって非常に悩ましい問題となっています」(山本氏)
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