ハイブリッドワークの普及で分散した環境で働く機会が増加
近年急速に注目を集める「ハイブリッドワーク」は、自宅やオフィスを含めて、従業員が働く場所や時間を柔軟に選べる働き方だ。しかし、情シス部門の立場からすると、それは決して歓迎できるものではない。その大きな理由の1つは、従業員の端末が社内外に分散してしまい、セキュリティの管理・統制が困難になるからだ。
実際、端末が各所に分散すると盗難や紛失のリスクが高まるほか、周囲の監視の目がないことを良いことに内部不正行為が発生し、重要なデータが外部に漏えいするリスクも高まる。また、社外で使用される端末に社内と同等の十分なセキュリティ対策が施されていなければ、その端末からマルウェアに侵入される恐れもある。
とりわけ、BYOD(私用端末の業務利用)を許可している場合、社内ポリシーに則ったセキュリティ対策を徹底させる難度はより上がるだろう。適切な端末管理や制御を施していなければ、マルウェア感染のリスクはもちろん、退職した従業員の私用端末に業務データが残されたままといった事態も発生しやすくなる。
こうしたセキュリティリスクへ対処することは企業として当然の務めだが、もう1つ忘れてはならないのが、従業員のユーザー体験を確保することである。つまり、セキュリティを維持しながらも従業員がストレスなく快適に業務をこなすことができ、会社全体の生産性を維持できる環境を整備していく必要がある。
セキュリティとユーザー体験という相反しがちな2つの観点を両立するハイブリッドワーク環境構築のために、今注目を集め始めているのが「VDI」である。
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・ハイブリッドワークでVDIが注目されるワケ
・クラウド技術でますます広がるVDIの選択肢
・外部からの脅威だけでなく内部不正への対策も