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  • 2026/10/15 掲載
「あの文書どこ?」はもう終わり…紙・電子の“情報迷子”を防ぐ、AI時代の文書管理
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「あの文書どこ?」はもう終わり…紙・電子の“情報迷子”を防ぐ、AI時代の文書管理

「必要な文書がどこにあるのかわからない」「同じファイルが複数あり、どれが最新版なのか判断できない」……AI活用が注目される一方で、日々の業務では文書にまつわる悩みは尽きない。紙文書や電子データが部署、拠点、個人のPCなどに散在し、“情報迷子”に陥っている企業は多い。さらに、老朽化したオンプレミスのファイルサーバは、運用コストやセキュリティ、管理負荷の面でも限界を迎えつつある。こうした課題の解決に挑むのが、インテリジェントコンテンツ管理プラットフォーム「Box」とリコージャパンだ。紙と電子データを一元化し、その先のAI活用にもつなげる方法を聞いた。

「最新版はどれ?」紙と電子が生む“情報迷子”問題の正体

 従来からファイルサーバやNASを利用している企業は多いが、紙文書と電子データが部署ごとに異なる場所で管理され、「必要な情報がどこにあるのかわからない」という課題を抱えるケースは珍しくない。

 この課題について、リコージャパン デジタルサービス技術本部 デジタルインフラ事業部 首都圏クラウドソリューション部 部長の森戸秀知氏は「Microsoft 365の導入が進む企業では、Microsoft SharePointへの移行を支援するケースもありますが、従来のファイルサーバから利用環境が変わることに加え、保存容量の拡大に伴うコストへの配慮が必要になるため、新たな課題を感じるお客さまもいらっしゃいます」と話す。

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リコージャパン
デジタルサービス技術本部 デジタルインフラ事業部 首都圏クラウドソリューション部 部長
森戸秀知氏
(所属は2026年9月時点)

 情報が部署ごと、あるいは個人のPCやメールの添付ファイルにまで分散することで、「最新版がどれかわからない」「同じファイルが複数存在する」といった状況が生まれる。その結果、文書を探す・確認するだけで多くの時間が失われ、本来の業務に使える時間が減ってしまう。

 しかも、企業が管理しなければならないのは電子データだけではない。同社 デジタルサービス企画本部 オフィスプリンティング事業センター ドキュメントソリューション企画室 室長の冨塚史朗氏は、紙文書も情報分散の大きな要因だと指摘する。

「働き方が多様化していく中で、電子データだけでなく、紙でやり取りしている業務文書をどう電子化し、共有していくかも大きな課題になっています。特に中小企業では、業務プロセスに紙文書が多く残っているケースが目立ちます」(冨塚氏)

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リコージャパン
デジタルサービス企画本部 オフィスプリンティング事業センター ドキュメントソリューション企画室 室長
冨塚史朗氏

高騰する機器、増え続けるデータ…ファイルサーバの限界

 オンプレミスのファイルサーバを使い続けることは、コストとセキュリティの両面で企業の負担になっている。

「ハードウェアの価格は非常に高騰しており、納期も長期化しています。また近年はデータ量の増え方も加速しており、オンプレでファイルサーバを所有するなら将来を見据えて余裕のある容量を確保しないといけません」(森戸氏)

 導入後も、数年ごとの機器更改に加え、バックアップ、サイバー脅威への対策、アクセス権限の管理、データの整合性維持などが必要になる。これらを担う管理者の負荷も小さくない。

 このような背景から近年では、クラウド上で誰に、どの文書のどのような操作を認可するか、細かい権限設定を可能にし、管理者の負荷を軽減する機能を備えたクラウドベースのドキュメント管理の仕組みが求められているのだ。

 一方、クラウド移行の必要性を感じつつも、セキュリティやコスト面への不安、既存システムとの互換性の問題から踏み切れない企業は多い。

「ゼロトラストという考え方が広がってはいますが、『社内なら安全』という認識は、今でも根強く残っています。そのため、クラウドがどのような仕組みでデータを守るのか、まず理解していただくことが重要です」(森戸氏)

 長年運用してきたファイルサーバでは、保存されているデータの全体像を把握できていないケースもある。森戸氏は、いきなり移行するのではなく、まずデータの保存状況を可視化するアセスメントを行い、移行対象や運用方法を整理することが重要だと説明する。

 さらに、移行後の定着についても「ファイルサーバの時代は、メールに暗号化された実体ファイルを添付し、復号のパスワードを後送する“PPAP”のような運用が当たり前でした。その点、「Box」であれば、メールでリンクを送るだけで済むため、メールの容量も小さくなりますし、使う側も安心してファイルを扱えるようになります」と森戸氏は述べ、実際に使ってみることで実感できるメリットは多いと話す。

単なる「保存先」ではない。「守る・探す・使う」の新常識

 こうした課題への選択肢となるのが、インテリジェントコンテンツ管理プラットフォーム「Box」だ。Boxは、電子署名やワークフロー自動化、生成AIによる文書分析、1500以上のアプリ連携を単一のプラットフォームで提供し、企業のコンテンツを作成から保管、共有、活用、廃棄まで一元管理ができる。

 セキュリティ・ガバナンス面の作り込みも特徴の1つである。「誰が」「どのファイルに」「どこまで」アクセスできるかを7段階の細かさで設定でき、全ファイル操作のログは最長7年間、管理者でも削除できない形で保持される。

「多くのお客さまが期待を寄せているのが『Box Shield』です。ランサムウェア対策や不審なアクセスの検知など、セキュリティをさらに強化できる機能を備えています。Box標準のセキュリティ機能に加え、『Box Shield』を活用することで、より高度な情報漏えい対策や脅威への備えを実現できます」(森戸氏)

 ファイルに「社外秘」などのラベルを付ければ、外部共有やダウンロードを自動制限することも可能だ。加えて「Box Governance」という機能により、保存期限のルール化や削除禁止のロック機能にも対応し、ISMAPやISO 27001など国内外の認証も取得している。

 容量無制限も「Box」ならではの強みだ。特定ベンダーに偏らない中立的なプラットフォームとして、Microsoft、Google、Salesforce、Slackなど幅広いアプリと連携できる点も評価されている。

AI活用を阻むのは、社内に“散らばった文書”だった

 文書の一元管理は、検索や共有の効率化だけでなく、その先のAI活用にもつながる。生成AIに文書を要約・分析させようとしても、必要なデータがファイルサーバや個人のPC、紙文書などに散在していれば、AIが参照できないからだ。

「ファイルサーバに置いたままでは、AIを活用しづらく、結局は人が目で見て確認する作業が残ります。『Box』に保存した文書をAIで検索・要約できれば、長い資料を最初から読み込む時間を減らし、確認や判断といった業務に時間を使いやすくなります」(森戸氏)

 厳格な権限設定を保ったまま、入力内容をAIの学習に使わせずに社内文書を横断分析できる点も、安心して使える理由の1つだという。

 ただし、既存のファイルサーバに蓄積された大量のデータを、どのように「Box」へ移せばよいのか。ここからが、多くの企業にとって本当のハードルとなる。

ペタバイト級のデータも短期間で移行する方法

 そこで「Box」への移行と、紙文書のデジタル化を後押しするのが、リコージャパンの「RICOH スクラムアセット」と「RICOH Scan Suite」だ。

「『RICOH スクラムアセット』は、サービスの知見を事例として蓄積し体系化した支援メニューです。全都道府県に拠点がある中で、エンジニアが一律に高い水準のサービスを提供するのは簡単ではありません。設計書のひな型や要件定義書の項目、構成図といったノウハウをナレッジとして蓄積し、環境構築やデータ移行、Microsoft 365との連携などを支援するメニューを用意しています」(森戸氏)

 実際の移行では、Box社純正の移行ツール「Box Shuttle」が活躍する。

「移行には、高速なデータ移行を実現する『Box Shuttle』をはじめ、お客さまの環境や要件に応じてサードパーティ製の移行ツールも活用します。特に『Box Shuttle』は、大容量のデータを短期間で移行できるため、従来環境の早期終了につながり、お客さまのコスト削減や運用負荷の軽減に貢献します」(森戸氏)

 ある大手の運輸業では、ペタバイト級のデータを「Box Shuttle」で短期間に移行しつつ、SharePointの掲示板機能は残し、リンクを「Box」に置き換える対応も取り入れながら、両者の強みを両立させた。中小企業の場合は、まず利用頻度の高い部署や業務のデータから始めることで、負担を抑えながら移行できる。

紙をPDFにしただけでは不十分、「探せる文書」にする方法

 一方の「RICOH Scan Suite」は、複合機でスキャンした紙文書を、「Box」などのクラウドストレージへ直接取り込めるサービスだ。OCRで文書の文字を読み取ることで、ファイル名だけでなく、文書の中に書かれた会社名や日付、案件名などからも検索がしやすくなり、利活用につながる。

「スキャンしただけではファイル名が日付や時刻のままとなったり、担当者ごとに命名ルールがばらつくことで管理が煩雑になっています。『RICOH Scan Suite』では、予めファイル名に使用する単語を辞書として登録することができ、スキャン時に選択することで統一したファイル名を付与することが可能となります」(冨塚氏)

 企業の紙文書のスキャン枚数は年々増加傾向にあり、複合機1台あたりの月間スキャン枚数は2019年頃と比べてこの5年ほどで大きく伸びているという。紙とデータをBoxに集約することで、検索性の向上や社外との共有のしやすさに加え、管理者が少ない中小企業では管理負荷の軽減も実感されている。

いきなり全部は変えない、小さく始めるDXの進め方

 クラウド移行の必要性を感じながらも、踏み切れない企業に向けて、森戸氏は、最初からすべてを移行する必要はないと語る。

「まずは、日々の運用コストやバックアップ、セキュリティの見直し、ハードウェアのリプレースといった負荷からの解放を考えてみてはいかがでしょうか。たとえばクラウドに移行すれば操作ログを可視化でき、自分たちがどのようにストレージを使っているかが把握できるようになります」(森戸氏)

 冨塚氏も、紙文書を含めた業務全体から支援できる点を強調する。

「リコージャパン、そしてリコーグループは、複合機だけでなく、文書管理やその後の運用まで、長くドキュメントに関わるビジネスを続けてきたノウハウがあります。まずは最初の一歩として、私たちにご相談いただければ、お客さまの業務改善にお役立ちできる提案をさせていただきます」(冨塚氏)

 紙の書類も電子ファイルも、必要な人が必要なときに見つけられる状態に整えることが、文書管理改善の第一歩になる。それは単なる保存先の置き換えではなく、業務効率化やナレッジ共有、さらにその先のAI活用を支える基盤づくりでもある。

 既存環境をすべて一度に変えるのではなく、データの現状把握や一部業務の電子化から始める。「Box」とリコージャパンの組み合わせは、企業が“情報迷子”から抜け出すための、現実的な選択肢となるだろう。

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紙・電子の“情報迷子”を解消し、AIで活用する方法をさらに詳しく解説
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