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  • 2024/02/20 掲載

能登半島地震では不眠不休で作業も…建設業の「災害対応」は働き方改革でどう変わる?

連載:現場の声から読み解く建築業界のリアル

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2024年1月1日に発生した能登半島地震。被災地における家屋の倒壊や水道管の破裂、液状化現象など、さまざまなニュースを目にしたのではないでしょうか? これらを修復するのは、建設業者の大きな役割です。実際に、この地震で破損した道路の緊急復旧をするために、不眠不休で作業をしている建設業者がたくさんいました。このように、災害現場では数多くの従業員が作業していますが、有事の際にも働き方改革は関係するのでしょうか? 今回は、自然災害時における建設業界の対応について、働き方改革と絡めて解説します。

執筆:社会保険労務士・行政書士浜田佳孝事務所代表 浜田佳孝

執筆:社会保険労務士・行政書士浜田佳孝事務所代表 浜田佳孝

社会保険労務士・行政書士浜田佳孝事務所代表。Hamar合同会社代表社員。法学部出身でありながら、市役所の先輩や土木施工管理技士である父親の影響を受け、土木技術の凄さに興味を持ち、研鑽を積む。そして、市役所勤務時代には公共工事の監督員として、道路築造工事や造成工事などの設計・施工を担当した実績を持つ。
現在は、「建設業の現場を経験した」社会保険労務士・行政書士として、建設業の労務管理・建設業許可・入札関係業務を主軸に、建設業の働き方改革・安全衛生コンサルティングを始めとした「現場支援」業務を行ってる。また、商工会主催の「建設業の働き方改革セミナー」を開催し、働き方改革に関する多くの相談を建設業者などから受けている。
著書に「 最新労働基準法対応版 建設業働き方改革即効対策マニュアル」がある。そのほか、中小企業の建設業の経営者に向けた YouTubeチャンネルを開設し、建設業界に関係する最新の知識やお役立ち情報などを日々発信している。

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自然災害時、建設業者にはどのような対応が求められるのだろうか。写真は能登半島地震の被害に遭った石川県輪島市
(出典:毎日新聞社/アフロ)

災害時の対応における「労働条件」とは

 建設業界の自然災害時の対応については、労働基準法に記載があり、第33条第1項では、以下のように、法律で定められている労働時間以上に労働をさせることが可能になっています。
「災害その他避けることのできない事由によって、臨時の必要がある場合においては、使用者は、行政官庁(労働基準監督署)の許可を受けて、その必要の限度において第32条から前条まで若しくは第40条の労働時間を延長し、又は第35条の休日に労働させることができる。ただし、事態急迫のために行政官庁の許可を受ける暇がない場合においては、事後に遅滞なく届け出なければならない」
 労働基準法の第139条でも、災害時の復旧・復興のことが触れられていますが、イメージとしては、労働基準法第139条のほうが範囲が広く、第33条のほうが限定的です。

 「災害らによる臨時の必要がある場合」の許可基準としては、地震、津波、風水害、雪害、爆発、火災などの災害への対応と記載されており、今回の能登半島のような地震は、これまでの経験上、まさに許可基準に該当することになります。

 また、原則として、事前に許可を受けることとなっていますが、実務上は事態が急迫のため、事後的に届出をする場合がほとんどです。そして、この自然災害時の対応が、働き方改革とどういった関係にあるかいうと、具体的には下記の図のような形になります。

画像
自然災害時の対応は働き方改革にどう関わってくるのだろうか
(出典:『建設業時間外労働の上限規制わかりやすい解説』をもとに編集部作成)

 この図は、36(サブロク)協定の届出様式がどの様式になるか、また、労働基準法第33条の許可・届出との関係がわかるフローチャートになっています。

 36協定で定めている限度時間・回数を超える時間外労働・休日労働があったとしても、それが公益・人命保護のために緊急を要する災害対応であれば許可等を得ることで、36協定で定める限度とは別に、労働をさせることが可能になります。

 では、具体的に、自然災害時の対応をしているときに、どういったところに留意するべきなのか解説していきます。 【次ページ】自治体との連携も影響を及ぼす「ある問題」

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