• 2025/12/24 掲載

BYDのシーライオン6、日本でPHEVを「今売り出す」市場戦略が“さすが”だった

連載:EV最前線~ビジネスと社会はどう変わるのか

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中国のBYDがプラグインハイブリッド車(PHEV)「シーライオン6」を日本市場で投入することを発表した。今や世界7位の自動車メーカーとなり、世界販売台数でもテスラを抜く同社が、日本で同社として初となるPHEVを発売する狙いはどこにあるのか。そこには、創業わずか30年でホンダや日産をはじめとする日系自動車メーカーを追い抜いてきたBYDならではの「戦略」があった。
執筆:モータージャーナリスト 御堀 直嗣

モータージャーナリスト 御堀 直嗣

1955年(昭和30年)生まれ。玉川大学工学部機械工学科流体工学研究室卒業。1978~81年フォーミュラレースに参戦、81年にFJ1600で優勝。84年からフリーランスライター。著書29冊。一般社団法人日本EVクラブ理事。NPOトリウム熔融塩国際フォーラム会員。日本モータースポーツ記者会会員。公益社団法人自動車技術会会員。自動車を含め環境やエネルギー問題に取り組む。

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BYDが発表した「シーライオン6」の実力とは
(Photo:Karunesh Johri/Shutterstock.com)

「テスラ超え」BYDが投入のシーライオン6

 中国のBYD(比亜迪)が、日本市場で5車種目となるSEALION 6(シーライオン6)の販売を発表した。

 「eモビリティを、みんなのものに。」との経営方針の下、電動車のみを製造・販売しているBYD。その社名自体が「Build Your Dream=夢を築こう」の意味を持ち、EVをより身近に感じられる車両開発や、販売促進策に挑戦しているが、今年10月には、世界EV販売台数において4四半期連続でテスラを超え今や中国を代表する自動車メーカーとなっていると言えるだろう。

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BYDが発表したシーライオン6

 同社は、2023年の日本進出から2年の間に、シーライオン6まで5車種の販売を実現した。2026年夏には、日本のみの車格である軽自動車にもEV導入が進行中だ。

 BYDは、1995年にバッテリー製造で創業し、自動車産業へも事業を広げる、創業からわずか30年の会社である。電動車だけで、2024年には427万台を販売し、自動車販売で世界7位となった。1位は、いわずもがなのトヨタグループである。しかし、歴史の長さでは、BYDをはるかに上回るホンダ(本田技研工業)も日産自動車も、BYDの後塵を拝した。

 そんなBYDが日本市場で、PHEVであるシーライオン6を投入した狙いはどこにあるのだろうか。 【次ページ】競合はトヨタの「あの車種」か
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