• 2026/04/24 掲載

TSMCが次世代半導体製造でASMLの最新露光装置を見送りへ

既存のEUV装置で、コストを抑えA13やA12など新製造ノードを量産

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台湾積体電路製造(TSMC)は米国時間4月22日、最新の半導体プロセス技術のロードマップを発表した。オランダASMLの次世代露光装置「高NA(High-NA)EUV」を直近では導入せず、既存のEUV装置を活用して「A13」や「A12」など新たな製造ノードを2029年に量産する。競合が最新装置の早期導入を進める中、TSMCはコスト効率を優先しながら人工知能(AI)やモバイル向けチップの微細化を図る。
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(画像:ビジネス+IT)
 TSMCは米国カリフォルニア州サンタクララで開催したテクノロジーシンポジウムで、2029年に向けた新たな半導体製造プロセスの展開計画を明らかにした。焦点となったのは、半導体製造装置大手ASMLが提供する最新の極端紫外線(EUV)露光装置の扱いだ。TSMCは、1台あたり約4億ドルとされる最新の高NA EUV装置への移行を当面見送り、すでに稼働している既存のEUV装置を継続して使用する方針を示した。この決定により、次世代半導体の製造にかかる多額の設備投資を抑えつつ、回路の微細化を維持する戦略を明確にした。

 同社が新たに発表したプロセス技術のうち、2029年の量産開始を予定する「A13」は、AI向けチップなどで採用される公算が大きい。さらに同じく2029年に量産予定の「A12」や、2028年に生産を開始する予定の「N2U」もラインアップに加えられた。N2Uはスマートフォンやノートパソコン、AI分野においてコストパフォーマンスに優れた選択肢として位置付けられている。TSMCの担当者は、既存のEUV技術を活用した微細化ロードマップの実現について、自社の研究開発力の成果であり競争上の強みであると説明した。

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【図版付き記事はこちら】TSMCが最新AI半導体製造プロセスで、ASMLの次世代露光装置の採用を見送り(図版:ビジネス+IT)

 半導体業界における2ナノメートル未満のプロセスノードへの移行において、ファウンドリ各社の戦略は大きく分かれている。競合する米インテルは、ASMLの高NA EUV装置を早期に導入し、自社の次世代プロセスに適用して技術的な優位性の確保を目指している。高NA EUV装置は、光の屈折率を高めることで従来の装置よりも微細な回路を一度の露光で描画できる特長を持つ。これにより製造工程を簡略化できる反面、初期の導入コストが膨大になるという課題がある。

 TSMCは高NA EUVの導入費用と技術的ハードルを考慮し、既存設備の延命と性能向上を両立させる道を選択した。この判断は、AIブームにより急増する高性能チップの需要に対し、安定した生産体制と適切な価格で供給を続けるための現実的なアプローチだ。結果として、最先端のチップを必要とする設計企業に対し、製造コストの高騰を転嫁するリスクを抑える効果をもたらす。

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