• 2026/05/20 掲載

座席はJAL優位だが、なぜ儲かるのはANA? 最高益の裏にある国際線争い「本当の勝者」(2/2)

連載:北島幸司の航空業界トレンド

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【エコノミー】JALで際立つ「全席アップグレード思想」

 最も多くの利用者が乗るエコノミークラスでは、その差はさらに分かりやすい。

 ANAは3-3-3配列で約84~86センチの広いシートピッチと大幅リクライニングを武器に、“長時間でも疲れにくいエコノミー”を目指した。インフライトエンターテインメント画面のタッチパネル化による軽量化も進めている。

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ANAは、長時間でも疲れにくいエコノミーを目指した設計に
(出典:ANA)

 一方JALは、A350-1000の機体幅を生かし、同じく3-3-3配列を維持しながら座席幅を確保。さらに全クラスで4Kモニターを採用するなど、“エコノミーでも妥協しない”姿勢を打ち出した。

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JALは、エコノミーでも妥協しない姿勢を打ち出す
(筆者撮影)

 この点では、JALの「全席アップグレード思想」が際立つ。

【注目】「旅客単価」はどちらが強い?

 興味深いのは、機材競争でJALが優勢に見える中でも、ANAの収益力が依然として高いことである。

 ANAの2026年3月期国際線旅客数は902万人、国際線旅客収入は8,789億円だった。単純計算すると、旅客1人当たりの国際線収入単価は約9万7,400円となる。

 一方、JALは決算資料の中で単価向上が進んでいることを強調している。JALの同時期国際線旅客数は800万人で、国際線旅客収入は7,600億円だった。同様に計算すると単価は、約9万5,000円になる。

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機材面でJALが先行するも、国際線単価の高さでは依然として強さを維持している
(本文を基に編集部作成)

 ANAは欧州線増便や高単価ビジネス需要の取り込みが好調であり、国際線単価の高さでは依然として強さを維持しているとみられる。実際、ANAは欧州3路線新設やシンガポール航空との共同事業強化など、高単価旅客を重視した戦略を鮮明にしている。

 つまり現状は、「機材・商品力ではJAL先行、単価・収益力ではANA健闘」という構図だ。

勝負の分かれ目は「2027年以降」のワケ

 今回の比較では、JALが最新大型機A350-1000を投入する一方、ANAは中型機787-9で対抗することになる。本来であれば、ANAが導入を予定しているボーイング777Xこそが、ファーストクラスも装備した真の対抗馬となるはずだ。

 しかし、ボーイング社の開発遅延により、ANAはフラッグシップ機刷新を待たされている。現時点の受領予定は2027年以降。そのため今回の787-9刷新は、単なる改修ではなく、「JAL A350-1000への対抗策」という意味合いが強い。

 それでも、ANAは依然として高単価の国際線収益を維持している。機材面ではJALが先行しながらも、稼ぐ力ではANAが有利な点は興味深い。

 そして将来、777Xが投入されたとき、「THE Room FX」がどのような進化を遂げるのかは大きな注目点だ。より広い客室空間を得たANAが、“空飛ぶ個室”をどこまで進化させるのか。JALのA350-1000、さらに今後導入される国際線へのA350-900の内装は、日本の航空会社同士のサービス競争をさらに高次元へ押し上げていくことになりそうだ。

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