新しい経営方針のもと求められた役員会議のペーパーレス化
1946年設立のぺんてるは、クレヨンや絵の具などの学用文具の製造販売からスタートした日本を代表する総合文具メーカーだ。アメリカ第36代大統領リンドン・ジョンソンが愛用したことで世界的なヒット商品となったサインペンをはじめ、筆ペン、ボールペン、消しゴム等々の筆記器具、絵の具、マーカーなどの画材を製造・販売している。
さらに最近は、タッチパネルや液晶パネルなどの電子機器、産業用ロボット、産業用自動組立機などのハイテク分野にも進出。世界21カ国に販売拠点を持ち、120カ国以上に輸出を行っている。文具業界の最新動向について、藤村氏は次のように説明する。
「他の製造業と同様、円高、新興国の台頭、国内の市場規模縮小により、文具業界も厳しい環境にあります。ただ、企業が経費節減で文具の支給を減らした結果、個人のお客様が直接文具を購入されるケースが増え、新機能製品が文具店で“発見”されるようになりました。また、雑誌やテレビの文具特集がきっかけになり、ちょっとした文具ブームが起きているのも、当社にとって追い風だと考えています。」(藤村氏)
厳しい経営環境の中でも、さらなる成長を目指した同社は、昨年6月に新しい経営方針を策定。そのひとつとして、「スピード感のある意思決定と業務改革による企業体質の強化」が打ち出された。その具体的な施策として企図されたのが、経営会議と取締役会へのペーパーレス会議システムの導入であった。