生産性を高めるには「アウトプットから逆算」する
手っ取り早く生産性を上げるには、インプット(投入する資源や労働量)を下げるかアウトプット(得られる成果や付加価値)を上げればよい。もっとも容易に思いつくのはインプットを下げること。つまりコストを削減するという考え方だ。しかし、これには落とし穴がある。
日本アイ・ビー・エム(以下、日本IBM)の石原栄治氏は「生産性の数字はコスト削減によって高くなります。これは業務プロセスが定まっていてアウトプットが一定(成果物が定型)の製造現場の場合は有効です。しかしオフィスが中心の働き方改革には有効ではありません。なぜなら業務が非定型で、アウトプットが一定とは限らないからです」と指摘する。
同氏は「生産性を高めるにはアウトプットから逆算して考える」ことが重要であると説く。
たとえば、オフィス・ワーカーが作成する企画書のフォーマットは、個々の判断に任されている。「美しく見栄えのよいプレゼンテーション用資料の作成」が業務の大半を占めている人も少なくない。そのような状況で残業をなくせば、逆に生産性の数値は低下する。
石原氏は、「資料は『見栄え』ではなく『情報』に価値があります。プレゼンテーション用アプリの操作に時間をとられているのであれば、作成手段を変えればよいのです」と説明する。
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