ビジネス環境の変化と複雑化する「ITインフラ」
あらゆる業種でデータを中心に据えたビジネスへの取り組みが始まり、その基盤として仮想化やクラウドを軸としたITインフラの構築が一般的になった。その結果、企業がネットワークインフラの監視において抱えている課題やニーズは、極めて多様化している。
こうした環境の変化に対応すべく、近年のネットワーク監視ソリューションには、「これまでにない機能」が求められる。
具体的には、帯域(ネットワークフロー)や仮想環境を監視、分析する機能のことだ。
これまでのネットワーク監視ソリューションは、デバイスやポートの死活管理、CPUやメモリ、ディスクなどのパフォーマンス監視、メトリックスがしきい値を超えた際の自動アクション、イベント発生時のSNMPトラップ通知などの機能を備えていた。
しかし、仮想環境上でシステムを構築するのが当たり前の時代には当然、仮想サーバ上のOSやアプリケーションの死活監視が必要だ。
さらに、無線LAN環境が広く普及した現在では、無線の電波状況や、SSIDごとに接続している端末の利用状況を可視化できねばならない。
また近年では、監視ソリューションの「スケーラビリティ」を重視するユーザーが増えている。監視対象デバイスの増加に監視ツール側がのキャパシティが追い付かないケースが少なくないため、できるだけ拡張性や可用性に優れた監視ソリューションを導入したいというニーズが高まっているのだ。
一方、このように多様化するニーズに対して、次々に製品やサービスを追加していくと、システムが複雑で高コストなものになってしまう。
多種多様なデバイスやプロトコル、アプリケーションを網羅し、インフラ全体をなるべくシンプルかつ低コストで運用・監視するには、何が必要なのだろうか?
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・ネットワーク監視を「シンプル化」するとは
・運用の作業効率化には何が必要か
・コスト感覚の高い地方公共団体や病院、学校の選択