求められる「コーポレートトランスフォーメーション」
コロナ禍をきっかけに、人々の生活は公私ともに大きく変化した。社会的距離を取ることが最重要となり、テレワークが全社規模に拡大し、会食や飲み会を避けるなど、随所で新しい常識、いわゆるニューノーマルが浸透しつつある。一説によると、この数カ月で10年分の変化が起きたともいわれている。
ニューノーマルによる最大の変化がオンラインの主流化だ。ビジネスマナーの基本として学んだ名刺交換や上座下座といった体面を重視する考え方が希薄になり、Web会議では実利に重きを置いたフラットなコミュニケーションが行われるようになっている。業務の進め方も、以前ならメンバー全体で成果を上げればいいと、“盛り上げ役”にも一定の役割があったが、今はテレワークで過程が見えにくくなったため、一人ひとりが労働生産性の高さや成果で評価され始めている。
これまで日本企業は変化に弱く、新しい事業を探索する能力が不足しがちだった。しかし、ニューノーマル時代に入って、そのような“体質”を抜本的に変革するCX(Corporate Transformation、コーポレートトランスフォーメーション)が求められている。急速な産業構造やアーキテクチャの変化に対応し、ビジネスとプロセスの両面でデジタルトランスフォーメーションを実行する必要があるのだ。
そして、それは経営層や営業部門だけの話ではない。バックオフィスの代表格である財務経理部門も、いや、同部門こそがこの変化をけん引する組織であるという。一体どういうことなのだろうか。
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