DXが脚光を浴びる中でなぜ「クラウドファースト」が叫ばれるか
ビジネスのデジタル化が進み、企業はさらなる競争力確保に向け、新しいビジネスモデルやサービスをスピーディに市場にリリースしていくことが求められる。こうしたDX時代に、企業のITインフラについては「クラウドファースト」が盛んに提唱される。
オンプレミスに構築される、従来通りのレガシーシステムは、調達リードタイムの長さや一括投資の高額さ、拡張性の低さや運用負荷の高さ、災害対策の大変さ、古い技術や手法を用いることによる運用の複雑さにより、スピーディなサービスリリースと継続的な改善が難しいという課題を抱えている。
ここ十数年ほどの間に、ITインフラは仮想化されることが当たり前となり、単純なサーバー台数やリソースの利用効率は高まった。その一方で、仮想化環境を支えるハードウェア群に目を向けると、さまざまなコンポーネントを複雑に組み合わせた構成となっており、設計や構築の高難度化、運用工数の増大を招いていた。あらゆるビジネスが何らかの形でITによって支えられている現代社会において、このようにスピード感と柔軟性を失ったITインフラは、ビジネスの成長やDXの実現を妨げるボトルネックになりかねないと言えるだろう。
これが「クラウドファースト」の背景にある、企業における従来のITインフラの抱える課題だ。一方、近年目覚ましい速度での急成長を続けている巨大テック企業のITインフラはどのようなものだろうか。そしてこのような先進企業のたちの取り組みを自社で取り入れるには何が必要なのだろうか。
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