10年は続くレガシー/クラウドネイティブ環境の併存、そこで起きる深刻な問題とは
現在、多くの企業がデジタル技術を使ったビジネス変革「デジタルトランスフォーメーション(DX)」に取り組んでいる。そのDXを支える仕組みとして、ますます重要性を増しているのが「クラウド」だ。
今後、ITシステムのクラウド化がさらに進むのは間違いない。ただし、既存のレガシーシステムが、急になくなるわけではない。レガシーな環境とクラウドネイティブな環境の併存は、今後10年は続くと予想されている。
そこで課題になるのが、その複雑な環境の運用・管理だ。管理対象が増えると対処すべきアラートも増える。環境ごとにツールが異なるため横断的な分析は難しく、問題解決までの時間は延びる。その結果、障害は事後対応がメインとなり、時間とコストの浪費による機会損失は増大する。
一方、ビジネス側からのシステムへの期待は大きい。たとえば、現場からは顧客や市場の変化に合わせてシステムやアプリを迅速に更新することが求められる。また、経営からも、迅速な判断に必要なさまざまな指標をリアルタイムに提供することが求められる。もちろん、システムの安定運用は大前提だ。
さらに、頭の痛い問題がIT部門の人手不足だ。人口減少を背景とする人手不足は、IT分野では特に深刻だ。十分な人材確保もままならず、障害対応では、特定の人物に依存する属人化も起きている。専門家の技術や知識が継承・蓄積されなければ、いずれシステムの運用・保守は破綻せざるを得ない。
この問題を解決するには、運用・保守のあり方を根本的に見直す必要がある。そこでカギを握る概念がAI×運用の「AIOps」だ。AIOpsとはどのような概念で現場をどう助けるのか、実践例とともに紹介していく。
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・AIOpsとは? 課題解決に寄せられる期待
・複雑化するシステム運用の自動化・効率化を推進するには
・これからの10年、システム運用を支援するパートナーに求められる条件