「電話に出るため」にわざわざ出社していないか?
NTTコミュニケーションズはコロナ禍以前から働き方改革に取り組み、テレワーク環境を整備してきた。
2020年2月に緊急事態宣言が出たあとも、同社が従業員1万人以上を大きな支障なく一斉にテレワークに切り替えることができた理由について、NTTコミュニケーションズ デジタル改革推進部 情報システム部門 第三グループ 担当部長 豊嶋 剛司 氏は次のように説明する。
「2018年頃から、個人のライフの充実があってワークの充実があるという基本理念のもと、『風土・意識』『制度・ルール』『環境・ツール』の三位一体の働き方改革を進めてきました」(豊嶋氏)
「風土・意識」では幹部と従業員との対話や幹部自らの情報発信、「制度・ルール」ではリモートワークやリモートオフィスの拡充、分断勤務やフレックス制度の全社適用、「環境・ツール」ではセキュリティを強化したセキュアドPC(注1)の導入やコミュニケーションツールの統合などを進めていた。
注1:テレワークでも安全に業務できるように、SSL-VPN接続、クラウドプロキシ、生体認証、EDRなどさまざまなセキュリティ対策を施したPCのこと。
テレワーク環境の整備においては、コミュニケーション環境の見直しも不可欠だった。もともと同社は、チャット、映像会議、コミュニティなど、目的別に複数のツールを組み合わせて利用していた。しかし、それではユーザーの負担が大きく、スムーズなテレワークは実現できない。
さらにオフィスでは当たり前に利用されていた「電話」も問題だった。テレワークになれば会社に設置された固定電話は使えなくなる。そのまま放置すれば、電話に出るために出社せざるを得なくなるだろう。
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・なぜ電話も含め、コミュニケーションツールをTeamsに統合したのか?
・1人ひとりに「050」番号が発番され、Teamsで外線電話を発着信
・相手がTeamsを使えない環境でも、電話さえ使えればWeb会議が可能に