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  • 2022/07/25 掲載

先進銀行らが採用する「次世代金融基盤」開発秘話、APIの諸問題を解決できたワケ

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決済や与信などの金融機能をサービスとして提供する「BaaS(Banking as a Service)」への注目が高まっている。こうした動きを先取る形で必要なサービスを開発・提供しているのがKipp Financial Technologiesだ。しかし、限られたリソースと時間で必要な機能を実装することは難しく、特に国際ブランドのプリペイドカードの発行サービスの開発では、予想以上のリソースが割かれることが予想された。同社が直面した課題と解決策を聞いた。

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セブン銀や福岡銀が採用する次世代金融基盤はどのように開発されたのか
(Photo/Getty Images)

プラットフォームでさまざまなAPIを提供するBaaSが直面した課題

 2017年5月に成立した改正銀行法では、銀行に対し外部事業者と安全にデータを連携できる「オープンAPI」を公開することが努力義務として課せられた。このこともあり、「BaaS」が注目されている。このBaaSを事業の軸にするKipp Financial Technologiesは、2018年創業ながら累計5億円の資金調達を実施する有力なフィンテック企業である。

 同社が提供するBaaS「kipp BaaS Platform」を活用すれば、金融サービス開発にかかる時間やコストを削減し、新機能を素早く追加したり外部サービスとAPI連携したりすることが可能になる。kipp BaaS Platformはセブン銀行グループの海外送金サービスや福岡銀行とKippが協業して運用するVisaプリペイドカードアプリ、アイフルグループの後払いサービスなどで活用されており、次々と顧客を獲得している状態だ。
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kipp BaaS Platform
 Kipp Financial Technologies 代表取締役 CEO 共同創業者 中島 拓也 氏は「APIを使って金融サービスを開発するには、金融の知識や高い技術力が必要となります。そこで『kipp BaaS Platform』では、開発に求められるさまざまなAPIを1つのプラットフォームに集約して提供し、シームレスに組み合わせることでユーザーさまの開発のハードルを下げることを目指しています」と説明する。

 一方、API連携のための基盤やAPIそのものの開発は容易ではない。特にVisaやMastercardなどの国際ブランドのクレジットカードの決済処理(プロセッシング)、カード発行(イシュイング)などのAPIを開発するには、ライセンスの取得、レギュレーションへの準拠、PCI DSS(国際ペイメントブランド5社が策定したグローバルセキュリティ基準)への対応など、多大な工数・手間がかかる。

 このため同社はその開発にリソースを割くと、他のAPI開発が滞り「kipp BaaS Platform」の特長である"1つのプラットフォームで多くのAPIを提供する"ことが難しくなるという課題に直面した。同社はどのようにこの難局を乗り切り、有力フィンテック企業に成長できたのだろうか?

この記事の続き >>
・「自社でも開発できる」があえてパートナーと組んだ理由
・国際ブランドカードの運用に必要なさまざまな業務から解放
・既存金融機関へのサービスを拡充し、事業会社のエンベデッドファイナンスも支援

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