高まるIT導入への関心、しかし「模範解答」がない状態
ノークリサーチでは、中堅・中小企業を対象に、新たなIT活用において提案や計画を担う人材が誰なのかを調査した。その結果、2018年から2019年にかけて、経営層の関与が49%から56.7%に増加していたことがわかった。
「決裁権限を持つ経営層の関与が、わずか1年間でこれだけ増えたのは、中堅・中小企業のIT導入への意欲が、それだけ高まっていることを示しています」(岩上氏)
ただし、すでにPCやネットワーク、WordやExcelなどのビジネスアプリケーション、会計など、現行のビジネスを回すシステムは、中堅・中小企業にも行き渡っている。いま、中堅・中小企業がIT導入に関心を示しているのは、新しいテクノロジーで既存ビジネスを強化したり、これまでは解決困難だった課題を解決できたりする可能性があるからだ。
だが、「自社ビジネスを強化できる製品は何か」「自社の課題は何で、それをどの製品で解決できるのか」を見極めることは簡単ではない。そこでコンサルタントを利用するという手もあるが、そもそもコンサルタントの提案に投資対効果があるのかわからないなかで相談をもちかけるのは難しい。
IT投資への意欲は高まっているが、模範解答がないため立ち止まっている……。現在はそうした状態に近い。そこで、岩上氏は「残業時間の規制や有給休暇の取得義務が定められた『働き方改革法』を、必要なITを見つけるきっかけにすることをお勧めします」と提案する。それは、具体的にどういうことだろうか。
この記事の続き >>
・自社の課題がわからなければ、社内SNSがヒントになる
・RPAは「人減らし」ではなく「人助け」のツール
・AIやIoTやウェアラブルにも、中堅・中小企業ならではのさまざまな活用の可能性