重要性を増した『プレミアムバンダイ』を落とさないために
バンダイスピリッツは、「ハイターゲット」と呼ばれる15歳以上のユーザー向けのキャラクター製品などの企画・開発・製造・販売を展開しているバンダイナムコグループの企業だ。フィギュアやロボットなどのコレクター向け事業、プラモデルを展開するホビー事業などさまざまな事業を展開しているが、バンダイ公式のショッピングサイト『プレミアムバンダイ』の運営も、重要な事業の1つである。
特に2019年は、『プレミアムバンダイ』の誕生から10周年を迎え、さまざまなイベントを企画・実施してきた。扱う商品数も24,000点を超え、バンダイナムコグループで最も規模の大きいECサイトとして、その存在感を高めている。
そこで課題となってきたのが、災害対策(DR)/事業継続計画(BCP)だ。ネット戦略室 デピュティゼネラルマネージャー 兼 ECプラットフォームチーム マネージャー 田口 剛氏は、次のように説明する。
「『プレミアムバンダイ』は誕生から10年をかけて成長し、万が一、この事業に問題が発生したら会社の売上に大きなインパクトを与えるほど、そのプレゼンスが上がってきました。また、数や販売時期が限られた限定商品を扱っているため、もしもシステムが止まったら、商品を購入されたいお客さまに多大なご迷惑をおかけしてしまいます。こうした意味で、『絶対に落としてはいけない』という緊張感を持って運営しています」(田口氏)
『プレミアムバンダイ』は、関東のデータセンターに設置されたオンプレミスのシステムで運営されている。もちろん、これまでもデータを別ストレージにバックアップするなど最低限の対策は実施していたが、バックアップデータを遠隔地に保存するまでの措置はとっていなかった。
「しかしそれでは、万が一、データセンターが被害を受けたとき、バックアップデータも被害を受けてしまいます。そこで遠隔地、できれば本州以外を前提に、DRサイトとして新たなデータセンターを探すことになったのです」(田口氏)
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・パブリッククラウドを検討するも、結局「候補から外した」理由
・毎日600GB超のデータバックアップ環境を、当初予算の“6割”で実現
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