所有ベースの「ソリッド消費」からアクセスベースの「リキッド消費」へ
デジタル技術の進化とともに、シェアリングエコノミーやサブスクリプションといったサービスが一般的になった現代。新しい消費スタイルとして注目されている概念が「リキッド消費」だ。モノの所有を前提とする従来型の「ソリッド消費」と対比した、所有を前提としないアクセスベースの消費スタイルを指す。
恩藏氏は「リキッド消費型の社会では、モノを所有する必要がなくなります。その結果、ソリッド消費時代に比べて消費者の選択肢が増えると同時に、より変化に富んだライフスタイルの実現が可能です」と説明する。
たとえば、高級バッグや高級時計など「高価格ゆえに所有することが難しかった製品」も気軽にレンタルやシェアできるなど、その対象範囲はますます広がっていくだろう。その結果、ブランドや製品の切り替えが容易になることで、ブランドとの関係性にも変化が見られているという。
恩藏氏は、新製品に対して消費者が抱く「期待」と「不安」の関係性の変化を表す研究結果を例に挙げつつ、従来型マーケティングとの違いを象徴する特に重要な3つのキーワードを解説した。以降で、詳しく見ていこう。
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・新製品への不安は、購入意欲を下げる要因ではない
・戦略策定に不可欠な枠組み「ブランド・カテゴライゼーション」
・五感を刺激する「センサリー・マーケティング」の効果
・「新製品の創造性」を決定づける5つの重要要素