株式会社セールスフォース・ジャパン 提供コンテンツ

  • スペシャル
  • 会員限定
  • 2025/08/06 掲載

なぜ私たちは稼げなくなったのか? 日本企業が陥る「デジタル貧困」の罠

  • icon-mail
  • icon-print
  • icon-hatena
  • icon-line
  • icon-close-snsbtns
会員になると、いいね!でマイページに保存できます。
なぜ私たちは稼げなくなったのか? 日本企業が陥る「デジタル貧困」の罠

かつて経済大国と言われた日本だが、いまや1人当たりの労働生産性は「OECD加盟国38カ国中32位」に低迷している。これを脱却するカギを握るのは、中小企業のDX推進にあると語るのは、明治大学 経営学部の岡田 浩一専任教授だ。多くの企業が「業務効率化」に留まり、本来のDXの可能性を活かしきれていない。日本が失った「稼ぐ力」を向上させるためには、何が必要なのか? 岡田氏が提言する。

日本経済の現実と見えにくい豊かさ

 日本がドイツに抜かれGDP世界4位に転落したニュースは記憶に新しいが、本当の危機はもっと深刻だ。労働生産性の国際ランキングを見てみると、1人当たりでOECD38カ国中32位、時間当たりでは29位。これが「経済大国日本」の正体である。

 「GDP4位という数字に騙されてはいけません」と警鐘を鳴らすのは、明治大学 経営学部 専任教授の岡田 浩一氏だ。20年以上にわたり中小企業のデジタル変革推進を研究し、経産省の委員会でも活躍する第一人者だ。

「4位という数字は、日本の労働人口がまだ多いから保てている順位に過ぎません。1人当たりの豊かさで測れば、もはや先進国とは言えない水準です」(岡田氏)

 ではなぜ、日本はこうなってしまったのだろうか? 答えは企業の「稼ぐ力」の決定的な欠如にある。特に日本の企業社会で99.7%を占める中小企業、そして中堅企業のDXの遅れは致命的だ。帝国データバンクの最新調査が示す現実は衝撃的である。DX経営に取り組む中小企業はわずか6.9%。10社のうち9社以上が、デジタル時代の競争に求められる対応ができていないのだ。

 さらに深刻なのは、DXへの取り組み姿勢そのものの歪みだ。「業務効率化」(44.5%)や「コスト削減」(30.3%)ばかりに注力する一方、「ビジネスモデルの変革」「既存製品・サービスの価値向上」や「新製品・サービスの創出」などへの意識は低いのである。これは典型的な「守りのIT」への偏重で、20年以上も前から変わらない日本企業の持病だ。

 対照的に、米国企業は「攻めのIT投資」で市場を切り拓いている。この意識の差が、両国の企業業績格差を生み出している根本原因なのである。日本企業は今こそ、デジタル技術を「効率化・コスト削減の道具」から「価値創造の武器」へと発想転換しなければならない。

この記事の続き >>

  • ・デジタル政策20年の功罪、「道具」は揃ったが「使い方」は変わったか?
    ・DX推進に立ちはだかる「3つの壁」
    ・中小企業が勝ち残る新法則、「両利き×パーパス」がDX成功の鍵を握る

この続きは
会員限定(完全無料)です

ここから先は「ビジネス+IT」会員に登録された方のみ、ご覧いただけます。

今すぐビジネス+IT会員に
ご登録ください。

すべて無料!今日から使える、
仕事に役立つ情報満載!

  • ここでしか見られない

    2万本超のオリジナル記事・動画・資料が見放題!

  • 完全無料

    登録料・月額料なし、完全無料で使い放題!

  • トレンドを聞いて学ぶ

    年間1000本超の厳選セミナーに参加し放題!

  • 興味関心のみ厳選

    トピック(タグ)をフォローして自動収集!

関連タグ タグをフォローすると最新情報が表示されます


処理に失敗しました

人気のタグ

投稿したコメントを
削除しますか?

あなたの投稿コメント編集

通報

このコメントについて、
問題の詳細をお知らせください。

ビジネス+ITルール違反についてはこちらをご覧ください。

通報

報告が完了しました

コメントを投稿することにより自身の基本情報
本メディアサイトに公開されます

ブロック

さんはあなたをフォローしたりあなたのコメントにいいねできなくなります。また、さんからの通知は表示されなくなります。

さんをブロックしますか?

ブロック

ブロックが完了しました

ブロック解除

ブロック解除が完了しました

機能制限のお知らせ

現在、コメントの違反報告があったため一部機能が利用できなくなっています。

そのため、この機能はご利用いただけません。
詳しくはこちらにお問い合わせください。

ユーザーをフォローすることにより自身の基本情報
お相手に公開されます