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  • 2025/10/16 掲載

「作り直せ」に騙されるな!COBOL資産を“お荷物”から“競争力の源泉”に変える秘策

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日本企業の「心臓部」を50年間支え続けてきたCOBOLシステムが、今存亡の危機に直面している。ブラックボックス化、深刻な人材枯渇、そして目前に迫る国産メインフレームの2030年度生産終了という「三重苦」が、基幹業務を根底から揺るがそうとしているのだ。「すべて作り直せ」という声が響く一方で、スクラップ&ビルドで数億円を溶かした企業の屍が積み重なる現実もある。果たして、この危機を切り抜ける道筋は存在するのか? 本記事では、AIとクラウドという最新武器を駆使した、既存資産を“活かして勝つ”戦略の全貌を明らかにする。

COBOLシステムが抱える「見えない負債」と忍び寄る「時限爆弾」

 メガバンク、地銀、保険会社、製造業──日本を代表する大企業の奥深くで、今なお静かに動き続けているシステムがある。それが、半世紀にわたって基幹業務を支え続けてきたCOBOLシステムである。日々数兆円規模の取引を処理し、何億人もの顧客データを管理する、まさに企業の「生命線」とも言える存在だ。

 しかしその一方で、COBOLシステムの抱える課題に悩む企業も少なくない。

 最も代表的な問題が「システムのブラックボックス化」である。長年の運用と世代交代の波に揉まれ、コードの内部構造を理解できる人材は減り、コードの理解や保守ができる人材が少なくなり、ソースと仕様書が乖離しているケースも少なくない。さらに「メインフレーム維持費の高騰」も企業にとって大きな負担だ。加えて「COBOLエンジニア不足」という構造的課題も重なり、レガシー資産を活用・統合してDXを進めたいというニーズと現実のギャップは広がっている。

 さらに恐ろしいのは、国産メインフレームの生産終了が2030年に、そしてサポート終了が2035年に迫っていることだ。残り時間はわずか。この「デジタル時限爆弾」が作動すれば、企業活動そのものが麻痺しかねない。かといって、すべてを捨ててJavaなどで作り直せば良いという単純なものでもない。実際に、無謀なスクラップ&ビルドで数億円規模の大損失を被った企業の事例は枚挙にいとまがない。

 このように今、IT部門のみならず経営陣も巻き込んだ「2030年問題」への対応が、避けて通れない経営課題となっている。求められるのは、貴重な既存のCOBOL資産を最大限に活かしながら、安心安全に未来へと橋渡しするための「現実的な戦略」なのである。

モダナイゼーションを阻む「時間・人材・リスク」の壁

 前述の課題は、単なるシステム保守の問題にとどまらず、事業や経営の継続性に大きな影響を及ぼしている。たとえば、2030年に迫る国産メインフレームの生産終了は、対応を怠れば業務そのものに支障をきたす可能性が高い。しかも基幹システムはミッションクリティカルであり、一度でも障害が発生すれば事業への打撃は計り知れない。

 こうした問題について、AMCソフトウェアジャパン(ロケットソフトウェア グループ) の大野 洋一氏は次のような見解を示す。

「システムがブラックボックス化している場合、スクラップ&ビルドによる再構築は現実的に困難です。大規模開発に踏み切れば期間が長期化し、失敗のリスクも跳ね上がります。企業にとってハイリスク・ハイリターンの賭けに出るよりも、既存資産を活用しながら確実にモダナイゼーションを進める道を選ぶのが安心・安全な解決策だと考えています」(大野氏)

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AMCソフトウェアジャパン
職務執行者
大野 洋一氏

 加えてCOBOLエンジニアは高齢化が進み、スキル継承が十分に行われないまま引退するケースも多い。システムインテグレーター側でも対応が難しくなる場面が増えており、このままではDX推進に必要な基盤づくりが大きく制約されかねない。

今求められる「既存資産を活かし、段階的に最新環境へ移行する」という発想

 基幹システムを刷新する際、多くの企業が陥りやすいのが「再構築」か「現状維持」かという二者択一の発想である。だが、これではコストやリスクが大きすぎるか、あるいはシステムの陳腐化を放置してしまうかのどちらかになりがちだ。AMCソフトウェアジャパンが提唱するのは、その中間に位置する、既存資産を活用しながら段階的に最新環境へ移行していく現実的かつ柔軟なアプローチである。

 同社が中核に据えるのが「Visual COBOL」だ。これはCOBOL資産をそのまま活かしながらクラウド環境やAPI連携に対応し、将来を見据えた拡張性や柔軟性を確保できる統合開発環境である。

「クラウド環境で動作し、API連携にも対応できる仕組みを整えることは『Javaだから可能でCOBOLでは不可能』ということでは決してありません。当社のCOBOL統合開発環境である『Visual COBOL』であれば、生成AIをはじめ最新機能を取り込みながら継続的にバージョンアップしているため、既存のCOBOL資産を活かしつつ、将来を見据えた拡張性や柔軟性を実現できます」(大野氏)

 Visual COBOLなら、古いプラットフォームの上で動いているCOBOLアプリケーションを捨てる必要はない。信頼性を維持したまま、クラウド対応やWeb化、CI/CD(継続的インテグレーション/継続的デリバリー)といった現代的要件を満たすことができ、安全性やコスト効率の観点からもメリットが大きい。さらに、既存アプリケーションをAPI化し、クラウドや外部システムとのシームレスな統合を実現する。従来は閉じた環境で動いていた基幹システムを、クラウドサービスや外部アプリケーションと接続しやすいかたちへと段階的かつスムーズに進化させることができるだろう。

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Visual COBOLなら、COBOLで記述されたロジックを基にしたサービス開発が可能だ

ブラックボックス化を解消しシステムを「見える化」

 長年運用されてきた基幹システムは、改修を繰り返すうちに複雑化し、担当者の交代も重なって「ブラックボックス化」に陥る。結果として改修や移行の障壁が高くなり、モダナイゼーションを阻む大きな要因となっているのは、前述した通りである。AMCソフトウェアジャパンはこうした課題に対応するため、Visual COBOLと共に豊富な解析・開発支援ツール群を用意している。

 その代表格が「Enterprise Analyzer」である。これはCOBOLコードを解析・可視化し、依存関係や仕様を文書化できるツールだ。これにより長年の運用でブラックボックス化していたシステムを「見える化」でき、改修や保守の効率性を大幅に高められる。

「これまで何人も担当者が変わっていたとしても、システム全体を理解しやすくなり、保守や改修の効率性を高める効果があります」(大野氏)

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Enterprise Analyzerは複雑な既存システムからビジネスおよび技術のナレッジベースを収集・抽象化し、ビジネス上重要なアプリケーションの理解と分析、優先順位付けなどを可能にする

 さらに、不要なコードや依存関係を抽出して整理するリファクタリング機能も提供。複雑に絡み合った“スパゲッティ状態”のシステムでも移行前に健全性を取り戻すことができる。

 こうしたツールにより、移行前にシステムの全体像を把握し、確実性の高いモダナイゼーションを進められる。さらにモダンIDE(統合開発環境)や自動化機能、最新のAI支援を取り込み、COBOLエンジニアが現代的な開発スタイルに適応できる環境も整備。

「高齢化による人材不足が進む中で、COBOLエンジニアを現役世代の開発者と同じフィールドに引き上げる環境を提供できることは、人材面の課題解決にも直結するはずです。さらに当社では、システムインテグレーターやユーザー企業のお客さまに向けて1日完結の研修コースなどを用意しており、スキル継承をサポートする取り組みも行っています」(大野氏)

生成AIも活用しエンジニア不足にも対応

 AMCソフトウェアジャパンでは最新のテクノロジーも積極的に取り入れている。Visual COBOLの最新バージョンでは、生成AIの活用による支援機能も拡充された。

「生成AIを使ってコードを解析・可視化することで、これまで以上にシステムの理解を容易にし、改修や移行前の検証を効率化できます」(大野氏)

 また、エンジニア不足という深刻な課題に対しても、生成AIは有効だ。AIが開発や設計を強力に支援することで、既存のCOBOLエンジニアの生産性を高めると同時に、若手エンジニアでも既存資産を扱いやすい環境を実現するからである。

「国産メインフレームのサポート終了が迫る中でモダナイゼーションを進める企業にとって、生成AIは安全かつ迅速な移行を支える現実的なテクノロジーと言えます」(大野氏)

りそな銀行、日本政策金融公庫など多くの企業・組織で重ねた実績

 AMCソフトウェアジャパンのソリューションはすでに多くの企業や団体で導入実績を重ねている。たとえば、りそな銀行では、メインフレームで長年運用してきたCOBOL資産をAPI化し、さまざまなデバイスから利用できるよう取り組んでいる。従来の基幹システムをマイクロサービス化することで、新しいサービス提供の柔軟性を獲得した好例と言える。

 また、日本政策金融公庫では、13台ものメインフレームで稼働していたCOBOLアプリケーションを可能な限り引き継ぎ、Visual COBOL*を活用してプライベートクラウド上に統合。2015年には大規模な「公庫全体最適化」プロジェクトを成功裏に完了し、年間維持コストの大幅削減、ベンダーロックインからの脱却、多岐にわたる業務効率化を実現した。その後も5~7年のサイクルでシステム更新を進めており、現在は3回目の刷新に向けた取り組みが進行している。

「こうした実績は、単に短期間で安全な移行を実現するだけでなく、将来にわたって持続可能な基幹システム運用を可能にするものです」(大野氏)

2030年問題を見据え、安心・安全に未来へつなぐために

 生成AIやクラウドといった最新技術を取り込みつつ、既存資産を活かしながら進化させるAMCソフトウェアジャパンのソリューションは、多くの企業にとって現実的かつ安心感のある選択肢となっている。

「当社は、2030年に迫る国産メインフレームの生産終了問題に正面から対応できるソリューションを提供しています。お客さまが長年培ってきたCOBOL資産を安心・安全に使い続けていただくことが何より重要であり、そのために必要な技術とサポートを提供し続けることが私たちの使命なのです」(大野氏)

 基幹システムは企業活動の根幹を支える存在であり、安易にスクラップ&ビルドに踏み切ることはできない。だからこそ、既存の強みを活かしながら最新環境へとつなぐ段階的なモダナイゼーションが現実的であり、同社のアプローチはその最適解と言えるだろう。

*「Visual COBOL」は本事例当時の製品の後継にあたる、現在の製品名です。

モダナイゼーション フォーラム 2025
~次世代ITにおけるレガシー資産の価値と進化~
https://www.sbbit.jp/eventinfo/86119

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