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  • 2016/09/16 掲載
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デジタライゼーションが進展している現在、従来型のITプラットフォームでは、もはやビジネス部門の細かな要求に対応し切れなくなってきた。この状況を放置し続ければ、自社の競争力は低下していくばかりだ。今の企業には、どのようなプラットフォームが必要なのだろうか。今後のデータセンターのあるべき姿を提唱するIDCフロンティア 代表取締役社長の石田 誠司氏と、ITインフラの構想化などを専門分野とするアイ・ティ・アール 取締役/プリンシパル・アナリストの金谷 敏尊氏が議論を交わした。


従来型のIT利用では、デジタライゼーションの進展から乖離していくばかり

──IoTやビッグデータ、AIなどの新しいデジタル技術が、ビジネスに影響を与えるようになっています。今後、企業にはどのような変化が起こるとお考えでしょうか。

金谷氏:やはり大きなトレンドとして1つあるのが、「デジタライゼーション」だと思います。

 今までの企業ITはバイサイド、すなわちITを調達して業務を効率化するためのものという位置付けが主でしたが、今後はセルサイド、つまりITを活用して新たなビジネスをする、新しい製品やサービスを売るためのものというポジションに軸足が移っていくでしょう。製品にセンサーを組み込んでデータを収集し、それを活用して新たな価値を創出していく、というような方向です。

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アイ・ティ・アール
取締役/プリンシパル・アナリスト
金谷 敏尊氏

石田氏:既に企業内では危機感という形で変化が表れてきています。それもIT部門よりも、ユーザー部門の人たちのほうが危機感は大きい。なぜなら、このビジネスをやるためにサーバを用意して欲しいとIT部門に依頼すると、2~3か月はかかると言われてしまうからです。

 ユーザー部門からすれば、「だったら自分たちでクラウドサービスを契約する」という発想になりますが、IT部門にはポリシーの観点から、セキュリティ対策や管理上のルールの問題が発生することになる。

 デジタライゼーションへの流れはもう不可逆ですが、それは今までのITセキュリティや運用ルールとはかみ合わなくなってくるということでもあります。この乖離にどう対応していくのか。今後の企業の大きな課題だと考えています。

今後企業のIT活用には、パラダイムシフトが求められる

──そうすると、これからはコーポレートITとしてのガバナンスを利かせつつ、さらにユーザー部門のニーズにも迅速に応えられるようなITインフラが求められる、ということでしょうか。

金谷氏:確かにそれは理想的なプラットフォームの在り方ですが、実際には2つの領域に分けて考えたほうが現実的です。

 1つめが、効率性や経済性を確保しなければならない領域で、具体的にはこれまでの仮想化環境やIaaS、PaaSが相当します。そして2つめが、独自の価値創出を行うための領域で、たとえばIoTやAIなどを活用するためのプラットフォームが相当します。

 私は必ずしもIT部門がこの2つとも面倒を見なければならないという状況ではないと考えています。確かに前者については、IT部門がガバナンスを利かせる必要がある領域ですが、後者については、セキュリティのような全社ポリシーに則していれば、スピード重視で、ユーザー部門とITベンダーで直接導入を進めることもあり得ると思います。

石田氏:実際に私どもにも、マーケティング部門などユーザー部門のご担当者様から直接ご相談をいただくケースが増えてきています。「こんなサービスを企画しているので、それに見合ったインフラを提案してほしい」というようなお話です。自社のIT部門に頼んだら、「今すぐは難しい」と言われたと。

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IDCフロンティア
代表取締役社長
石田 誠司氏

 本来はIT部門が、全社的にクラウドに移行するなどのプロジェクトを起案して対応していかなければならない案件ですが、現実的にそれが無理なのであれば、やはりパラダイムシフトが必要です。

 仮想化環境やIaaS、PaaSの部分はIT部門がきちんと担保し、IoTやAIなどのアプリケーションが載る部分については、IT部門がコーポレートITの観点からセキュリティガイドラインを作成し、それに則ってユーザー部門とITベンダーで導入を進めてもらうという形ですね。今後のインフラ活用の1つの在り方だと思います。

産業別や処理別などで、最適なインフラ活用の方法も変わってくる

──今後企業がインフラ活用を考えていく上では、そうしたパラダイムシフトが必要だということですね

金谷氏:それは自社のセキュリティポリシーをどうするか、利用するITアーキテクチャをどうするか、といったITのデザインレベルの話でもあります。

 今ある運用を守ることも大事かもしれませんが、まずは現在のITを一回ゼロベースにして再発想しなければならない時代に来ていると思います。

石田氏:本当にその通りだと思います。そしてそのいい機会が、従来環境を新たなクラウド環境に置き換えるといったタイミングです。今後企業は新しいインフラに置き換えるタイミングで、今までのやり方をすべて見直したほうがいい。

 たとえば、このバックアップは何のためにやっているのか、この監視は何のためにやっているのか、それらは本当に必要なのかということです。そしてその見直しは、あくまでビジネスの目線から考えることが重要です。

──その見直しの際の考え方として、何かヒントはあるでしょうか。

金谷氏:インフラの移行は、オンプレミスから各種クラウドへ、というのが今の大きな流れです。

 その時にたとえばひと口に「パブリッククラウドを利用する」と言っても、自社の業種や業態、あるいはビジネスモデルなどによって、どのサービスがいいのか、どんな使い方をすればいいのかは当然違ってきます。場面場面に応じて使い分けていく、という姿勢を基本に据えておくべきでしょう。

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石田氏:まさに産業別でインフラの活用方法は異なってきます。たとえばゲーム業界では、オンラインゲームでのユーザー同士の対戦は夜中の2時ぐらいにピークが来ます。そのタイミングでリソースを手配し、朝方になれば開放するというのが、ゲーム業界での典型的なクラウドの利用例です。

 さらに言えば、処理の違いによっても適したインフラは変わってきます。弊社ではコンテンツ配信サービス(CDN)もご提供していますが、動画配信サービスを提供しているお客様がこうしたサービスをご利用されることで、通信コストを大幅に削減することが可能になります。

 これから企業は産業別、処理別に、細かくインフラの使い方を考えていく必要があり、その流れに対応するために、インフラをご提供している我々もサービスラインナップを拡充させているところです。

今後データセンターには“Data Centric”なプラットフォームとしての役割が求められる

──企業がこれまでのインフラ活用の方法を見直し、産業別、処理別での使い分けに本腰を入れ始めた時、一方のインフラ側には、どのような姿が求められるのでしょうか。

石田氏:企業がインフラ活用の方法を見直す理由は、ビジネス側のニーズを満たすため、究極的には自社の売上や収益の向上を実現するためです。

 その際に今のビジネスシーンで重要となるのは、言うまでもなくデータの活用です。冒頭でキーワードとして挙げられていたIoTやビッグデータ、分析技術としてのAIもすべて、効率的なデータ活用を行うためのテクノロジーです。

金谷氏:弊社では、2020年に大手企業の30%は、特定事業におけるビジネスモデルやアルゴリズム、プログラム、情報、技術といった知的財産を軸に、コアコンピタンスの再定義を行うだろうと予測しています。

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 言い換えれば、製品や製造技術といったものではなく、自社が保有するデジタル資産、特にデジタルデータが将来のコアコンピタンスになるだろうということです。

 今は先進的なERPパッケージを使っているからといってアドバンテージがある時代ではありませんし、パブリッククラウドを使っているからアドバンテージがあるというわけでもない。それらを使って“何をするのか”ということが重要で、まさに今ご指摘があったように、その核となるのがデータだということです。

石田氏:これまでのデータセンターは、いわば“サーバセンター”で、主に仮想環境の拡張性が重視されるものでした。

 しかしデータが企業のコアコンピタンスだと捉えれば、ユーザーがデータを柔軟に活用できるようにシステムを構築しなければなりません。ビッグデータを保存する器としてのデータセンターだけでなく、オンプレミス環境や他のプライベートクラウドとシームレスに連携するネットワーク環境や、他企業の持つデータまで突合して分析できるようなデータソリューションまでを包含したプラットフォームが必要です。

 こうしたプラットフォームを活用することで、企業はデータを活用してより効率的に新たな製品やサービスを創出したり、また他企業とアライアンスを組んで、新たなビジネスモデルを作ることも可能です。

 今後企業はデータを中心にビジネス活動を考えていくことが必須です。そしてそれを支える次世代プラットフォームこそが、IDCフロンティアが提唱する“Data Centric Cloud”なのです。

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──本日は貴重なお話しをありがとうございました。

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