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- 2024/06/12 掲載
Microsoft Copilotが製造現場をガラッと変える理由、「製造×生成AI」衝撃の効果
連載:第4次産業革命のビジネス実務論
アルファコンパス 代表CEO
中小企業診断士、PMP(Project Management Professional)
1990年3月 早稲田大学大学院修士課程(機械工学)修了。同年に東芝に入社後、製造業向けSCM、ERP、CRMなどのソリューション事業立ち上げに携わり、その後、インダストリアルIoT、デジタル事業の企画・マーケティング・エバンジェリスト活動などを担うとともに、オウンドメディア「
DiGiTAL CONVENTiON」の立ち上げ・編集長などをつとめ、2024年に退職。
2020年にアルファコンパスを設立し、2024年に法人化、企業のデジタル化やマーケティング、プロモーション支援などを行っている。
主な著書に『デジタル・プラットフォーム解体新書』(共著:近代科学社)、『デジタルファースト・ソサエティ』(共著:日刊工業新聞社)、『製造業DX - EU/ドイツに学ぶ最新デジタル戦略』(近代科学社Digital)がある。その他Webコラムなどの執筆や講演など多数。2024年6月より現職。
製造現場を変える技術(1):マイクロソフト
マイクロソフトは、「Accelerate industrial transformation with AI」をコンセプトに掲げ、インダストリー領域における生成AIの利用について、具体的なメリットとともにショーケースデモを展開していました。たとえば、KUKAのショーケースでは、ロボット制御のプログラム変更を「Microsoft Copilot」に実施してもらう流れが展示されていました。具体的には、変更希望内容を自然言語で入力すると、Copilotがライブラリを参照し、関数変更案などをレコメンドしてくれるほか、提案されたプログラムを仮実装・シミュレーションし、問題なければ本実装するという仕組みです。つまり、関数などを覚えていなくても要求伝達と確認だけで作業が済むようになるのです。
他方、シーメンスと連携したコネクタ設計のショーケースでは、要求仕様を入力すると過去資産を参照し、新たなデザインをCopilotが提示してくれる流れが実演されていました。また、提示してくれるデザインに関して、提示した理由の説明などもCopilotが行ってくれるほか、BOM、3D情報などの生成も行ってくれるという仕組みでした。
また、PLCのストラクチャー言語で書かれたプログラムソースをCopilotがラダー言語に変換するショーケースも展示されていました。また、変更内容をレコメンドしてくれるほか、Copilotはプログラムソースの各行の内容の解説もしてくれます。
このように人の作業の一部を生成AIが支援する取り組みがいくつも見られました。熟練技能者が減っていく日本においては、若手の設計者や開発者が自立的にスキルを習得する際に、生成AIが支援者になってくれるかもしれません。 【次ページ】製造現場を変える技術(2):ベッコフオートメーション
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