• 2025/12/08 掲載

消費者が知らない「食品」輸送のヤバすぎる実態…新鮮野菜は「金持ちの食べ物」に?

連載:「日本の物流現場から」

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食料自給率が100%を超えている都道府県はわずか7道県のみ。対して、最下位の東京都は0%──それでも日本に住む私たちは、どこにいても、おいしい野菜や魚を食べることができている。これは地方を産地とする農産物・水産物が全国津々浦々までトラックで長距離輸送されている恩恵にほかならない。ところが昨今、長距離輸送から撤退する運送事業者が増えている。このままでは、地方で産出される新鮮な野菜や魚介類などは、高級品になってしまうかもしれない。そこで今回、食料品輸送の実態とともに、今後どうなるのか解説する。
執筆:物流・ITライター 坂田 良平

物流・ITライター 坂田 良平

Pavism 代表。元トラックドライバーでありながら、IBMグループでWebビジネスを手がけてきたという異色の経歴を持つ。現在は、物流業界を中心に、Webサイト制作、ライティング、コンサルティングなどを手がける。メルマガ『秋元通信』では、物流、ITから、人材教育、街歩きまで幅広い記事を執筆し、月二回数千名の読者に配信している。

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食料品の長距離輸送は今後どうなるのか(後ほど詳しく解説します)

食料供給は「長距離輸送」依存

 農林水産省では、その都道府県に住む全住民が必要とするカロリーに対し、どれだけ食料を自給できているのかを示す指標として、カロリーベースの都道府県別食料自給率を公表している。

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【画像付き記事全文はこちら】
カロリーベースの都道府県別食料自給率
(農林水産省のデータより筆者作成)

 最新版(2023年度版)では、食料自給率が100%を超えているのは、北海道、秋田県、山形県、青森県、新潟県、岩手県、佐賀県のわずか7道県のみである。半数以上となる27都府県が食料自給率50%を下回っており、最下位は東京都の0%である。

 エリア別の食料自給率は以下の通りだ。ちなみに全国平均の食料自給率は38%である。

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地域別にみる食料自給率
(農林水産省のデータより筆者作成)

 当然ながら、都市部ほど食料自給率は下がる。それにしても関東の30%、近畿の23%という食料自給率は、都市部の食料供給をいかに長距離輸送に依存しているかがわかる。

 しかし今、「物流の2024年問題」を筆頭とする物流クライシスによって、長距離輸送から撤退する運送事業者が増えており、食料輸送に関してもその影響が生じつつある。ではなぜ、長距離輸送から撤退する運送事業者が増えているのか。

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次のページ以降では、運送事業者が直面している厳しい現状と食料品輸送の実態などについて解説します
【次ページ】運送会社が長距離輸送から撤退する「3つの切実事情」
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