物流・ITライター 坂田 良平
Pavism 代表。元トラックドライバーでありながら、IBMグループでWebビジネスを手がけてきたという異色の経歴を持つ。現在は、物流業界を中心に、Webサイト制作、ライティング、コンサルティングなどを手がける。メルマガ『秋元通信』では、物流、ITから、人材教育、街歩きまで幅広い記事を執筆し、月二回数千名の読者に配信している。
2026年は、物流業界の歴史的な転換点となる。というのも政府は、運送会社、倉庫会社らの物流事業者だけに痛み(法令による規制と罰則)を強いる政策を転換し、荷主・元請事業者にも物流改善の義務と罰則を課す物流効率化法・貨物自動車運送事業法・取適法(中小受託取引適正化法:旧下請法)などの法令を施行したからだ。たとえば、これまで物流業界ではびこっていた無償での付帯作業(荷物の積み下ろしや棚入れ、ラベル貼りなど)に大きなメスが入った。しかし世の流れを知ってか知らずか、いまだに運送会社に対して人を人とも思わぬ仕打ちを続ける荷主は存在する。そこで今回、現場で発生しているエピソードとともに、今後、荷主や元請事業者にとってのアキレス腱にもなりかねない「付帯作業」に着目して考えよう。
1990年12月、物流2法が施行され、トラック運送事業の過当競争が始まった。参入障壁が下がり、トラック運送事業者の数は1.5倍にまで増加した。そして2026年4月、今度は生き残りをかけたサバイバル時代へと突入していく。物流関連2法(物流効率化法・貨物自動車運送事業法)が本格始動するからだ。従来の安全対策とトラックドライバーの健康管理を中心とした取り組みに加え、物流効率化の立役者として積極的に取り組みつつも経営健全化を図らなければならない。これができない“悪質な”運送会社は、市場からの退場を求められる内容となっている。そこで本稿では、物流関連2法の改正内容を解説するとともに、運送会社がこれから求められる経営のポイントについて説明する。