• 2026/01/29 掲載

310万円の家庭用ロボ「NEO」の知られざる正体、購入者の「プライベート丸裸」の衝撃(3/3)

連載:米国の動向から読み解くビジネス羅針盤

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完全な自律性は「いずれ将来的に」

 米ウォール・ストリート・ジャーナル紙のジョアナ・スターン記者の動画では、まだ試作段階であるNEOがキッチンでの作業をレポートしている。この中では、3メートル先の冷蔵庫から水のボトルを持ってくるのに1分以上かかっていたり、3個の汚れた食器を食洗機に入れて作動させるのに5分近くかかったりしている。また、過熱してダウンすることもあったようだ。

 水を持ってくるタスクは人間なら5秒以内、食洗機の作業であれば15秒もあれば十分だろう。もちろん、人間はオーバーヒートなどしない。

 一方で、実際にユーザーに届くNEOはさらに改良を重ね、より力強く、スマートで、自律的になる。1X Technologiesのプロモーション動画では、「いずれNEOは完全な自律性を備える」と説明されている。だが、初期には人間のパイロットの介入と操作が必須だ。NEOの価格が300万円以上と高いのは、製造コストではなくパイロットの人件費がかさむからだろう。

 別の見方をすれば、1X TechnologiesがNEOの開発の補助をユーザーに「外注」し、しかも高額な「開発参加費」を徴収するビジネスモデルであると見ることもできる。

 さらに、ユーザーがNEOを「調教」しても、迅速かつ上手にできないタスクが残り、結局はオーナーが自分でやったほうが早いというオチになる場面も多いだろう。

NEOに「危険な行動」はないのか?

 翻って、スターン記者がインタビューで、「NEOがガスレンジに紙をくべて放火したり、ソファで寝ている私の上に重たいものを落としたりできるのか」と尋ねると、ボーニックCEOは「論理的には可能だが、NEOには多重の安全メカニズムが備わっており、そのようなことはしない」と回答している。だが、NEOが危険なことをするリスクは0%ではない。

 一見すると単純に見えるタスクであっても実は、絶対にやってはいけない動きや、予想しなければならないリスク、製品マニュアルには書いていない扱い方など、AIにとっては難しいタスクが無数に存在する。乳児や幼児、身障者の周りでは、特に注意が必要になる状況も存在する。

 それらをAIが学習するには、莫大な時間と労力、さらに人間の介入が必要である。ユーザーは、そうした「理想と現実の落差」を理解した上で、生活上のプライバシーを1X Technologiesに明けわたす覚悟で、NEOの購入やレンタルを決めるべきだろう。

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