記事 金融政策・インフレ 円安と「切っても切れない」関係?「デジタル赤字」が示す日本の“弱さ”とは 2024/07/24 円相場の変動が激しくなっている。目下マーケットでは内外の金利差が注目されているが、円相場には日本経済の「実態」も深く影響しており、国際収支統計を項目別に長期観察すると、円安圧力がジワリと高まっている構造要因が浮かび上がる。背景には「失われた30年」の間に進んだデジタル化とそのグローバル化が深く関わっているようだ。今回はこの点を掘り下げていこう。
記事 金融政策・インフレ 歴史的円安でも日銀7月の利上げは「ない」ワケ、方針転換への必須条件とは 2024/07/20 7月18日の円相場1ドル=155円台半ばとなり1カ月ぶりの円高・ドル安水準となったものの、7月の金融政策決定会合での利上げは、観測記事やリークが少ないことから日銀が前向きでない可能性がある。では、どのような材料がそろえば日銀が利上げに動くのだろうか。2つの観点から利上げ時期を予想する。
記事 金融政策・インフレ お金と税金の全然“笑えない”話、経費で節税は正しい? 金銭感覚をバグらせないには 2024/07/18 社会人の中でも、何にいくらの税金を支払っているか、把握していない方は多いのではいでしょうか。特に、お金の感覚を身に付けずにフリーランスになった人は、税金地獄にはまり、廃業に追い込まれるケースも少なくありません。そこで今回は、著書『お金の管理が苦手なフリーランスのためのお金と税金のことが90分でわかる本』(アスコム)より、絶対に知っておきたいお金と税金ついて解説していきます。
記事 金融政策・インフレ 国民年金の積立が「2059年に無くなる」衝撃試算…それでも納付期間を延長しないヤバさ 2024/07/15 7月3日に公表された今回の財政検証は、前回に比べて、収入に対する年金給付額の割合が改善された。しかし、ある経済成長ケースを想定した場合、国民年金の積立金が枯渇し、年金額の割合が大きく落ち込む予測も出された。政府はそれでも国民年金納付期間延長を行わない方針だが、問題を放置することは許されない。
記事 金融ガバナンス・内部監査 日銀が大口決済の前提を変える? ステーブルコインの限界と「CBDC強制導入論」 2024/07/12 各国の中央銀行が研究を進め、経済安保の観点で思惑が交錯するのが中央銀行デジタル通貨(CBDC)の領域です。実は、大口決済と銀行間決済を意味する「ホールセール決済」について、そのインフラにブロックチェーン技術を導入するという研究が進んでいます。コストやスピード、透明性の面でホールセール決済の改善が期待できるためです。金融領域でビジネスをするなら知っておきたいホールセールCBDC(wCBDC)について、日本銀行の担当者らの発言からブロックチェーン技術と大口決済のありようを解説します。
記事 金融政策・インフレ インフレの「被害者」は誰か? 食料だけじゃない「若者苦境」の原因 2024/07/09 日本の消費者が直面する物価高(インフレ)。世界的にもインフレに直面しており、日本で750円程度のバーガーセットは米国では2,500円もする。2023年ごろより米国のインフレは落ち着きつつあるが、今なお多くの消費者は外食を控え、支出を抑制しようとしている。それでもスーパーの食料も価格が大きく上昇しているほか、住居費も高騰を続けており、特に若年層の家計行き詰まりを招いている。
記事 金融ガバナンス・内部監査 金融庁らが語る「デジタル人材の確保、育成3カ条」、攻守両立への道とは? 2024/07/05 金融庁は全国の金融機関に対し、ITガバナンスとDXを同時に推進する立場にあります。これらは一見すると相反するものにもみえますが、当局は大手金融と地銀の「ITガバナンスとDX」について現状をどのようにみているのでしょうか。「デジタル人材の確保、育成」「攻守両立を実現する考え方」などについて金融庁 総合政策局審議官 柳瀬 護氏や金融データ活用推進協会顧問(元金融庁長官)中島 淳一氏のコメントからポイントを探ります。
記事 金融政策・インフレ もはや「同格ですらない」日本とシンガポール、物価高騰に見る「悲しき国力差」とは 2024/07/02 久喜市 福祉センター 太田匡 シンガポールは都市国家であり、単純に日本と比べるのは疑問だ。それと、シンガポ-ルの外国人労働者の活用方法も、メイドとか肉体労働中心で、期間も有期であり、例えばメイドが、雇い先で妊娠等しようものなら、即刻強制帰国させられるとのこと。移民については全世界的に問題であるが、シンガポールのやり方は、酷いと考える。あまり、シンガポール礼賛だけではなく、負の側面もキチンと記事にすべきと考える。
記事 金融政策・インフレ 潜在成長率とは何かをわかりやすく解説、政府も多用する「日本経済まるわかり」指標 2024/07/01 さまざまな政策に密に関係している日本経済の「潜在成長率」。見通しの数値を正しく推計することは極めて困難だが、場合によっては見通しを都合よく政策決定に利用している。政策分野が異なっても、潜在成長率の見通しは整合的でなければならない。
記事 金融政策・インフレ もはや「貿易立国ですらない」日本、サービス収支に見る円高実現を阻む「ある要因」 2024/06/26 円相場の動きは金利動向だけでなく、経常収支の動向からも読み取ることができる。外国為替市場の中長期的な趨勢を見通す観点からは、むしろ金利よりも重要であるかもしれない。実際、日本の経常収支の動向を項目別に長期観察すると、変貌する日本経済の実態が如実に表れている。かつて日本は貿易立国として、経常収支の中で貿易収支が大幅な黒字を続けていた。これが中長期的な円高の力学となっていたが、2000年代後半からは構造変化が生じているようだ。今回は、国際収支統計を手がかりに、円安圧力がジワリと高まっている実態を読み解いてみよう。
記事 金融政策・インフレ インフレで本当に苦しんでいる国民はどこか? 日本はなんと「インフレ収束しない」1位 2024/06/14 日本では円安もあり、昨今の物価高に驚いている人も多いだろう。マクロ経済指標的にはインフレ圧力は和らぎ、各国中央銀行による金利引き下げの動きが出始めている。しかし、人々が実感できる物価高の緩和には1年以上かかる可能性もある。各国の人々はどのような経済センチメントを抱いているのか。収入水準や家賃水準などを参考にしながら、各国の物価高状況を俯瞰してみたい。
記事 金融政策・インフレ 日銀の利上げは0.5%?それとも2%の急上昇?2025年春までの注目4シナリオ 2024/06/12 これまで筆者は日銀の利上げ時期を10月と予想していたが、最近の一連の情報発信、具体的には内田副総裁や安達委員の講演、そして金融政策決定会合における「主な意見」を踏まえ、7月の可能性が高いと判断した。6月の金融政策決定会合では、長期国債の買い入れ減額方針が示されるのと同時に、利上げの予告に近い情報発信があるのではないか。今後の金融政策について不確実性は大きいが、主に4つのシナリオが考えられる。順に見ていこう。
記事 AI・生成AI 銀行による「経営改善提案」が激変、金融庁のおススメ「業況管理AI」とは? 2024/06/06 中小企業に対する経営改善のサポートは銀行が担う重要な役割の1つですが、金融機関の人手不足が深刻化する中、融資先の業況管理をAIが肩代わりする方法の研究が進められています。業績悪化の兆候がみられる企業を早期に発見したり、現場経験の少ない若手職員でも問題点を発見したりできるAIツールとはどんなものか? 金融庁が実施した「業況管理AI」に関する委託研究の成果と展望、課題について解説します。
記事 金融政策・インフレ なぜ「異常な円安」が続くのか? 原因は日米金利差? そんな“簡単ではない”深刻問題 2024/06/03 この数年間の急速な円安は、日米金利差の急速な拡大によるものだ。ただ、この説明だけでは不十分であり、なぜ日銀が金利を上げられないかを明らかにする必要がある。ここで注目すべきは「自然利子率」である。これを読み解くと、日本が行き着く最悪のシナリオが考えられる。
記事 金融政策・インフレ 国が地銀に示す「脱炭素営業」、広島銀と北國銀が直面した「中小企業の現実」とは? 2024/05/24 国は2024年3月、地銀の営業担当者による活用を想定して、融資先などへの営業用資料となる「ドアノックツール」のひな型を公開しました。行政がわざわざ民間金融機関のビジネスに肩入れするのは意外な感じがしますが、ひな型の中身をみてみると、企業による脱炭素の取り組みをしっかり支援するよう、金融機関側に発破をかける趣旨となっています。脱炭素をめぐる国際的な議論を含め、ドアノックツールの作成にいたった背景とその内容について解説します。
記事 金融政策・インフレ 円安・インフレでも日銀が「今」政策変更しない謎、驚きの言及の数々 2024/05/23 5月10日に発表された金融政策決定会合における「主な意見」(4月25~26日開催分)は、かなりタカ派(金融引き締め支持)であった。4月26日の金融政策決定会合後の総裁会見がハト派(金融緩和支持)と受け止められ、円安が進行した経緯があるだけに、そこでの情報発信に修正を加えたかった意図も透けて見える。ただ、そうした事情を割り引いたとしても、日銀が市場関係者の平均的な想定を上回る速度で政策変更を議論している可能性が高い。その可能性を点検するために「主な意見」で注目すべき発言について、藤代氏が見解を示した。
記事 収入・給与 なぜ日本はITに“めっぽう”弱いのか? 根本原因が「大学教育とOJT」と言えるワケ 2024/05/20 米国はITやAIなど先端分野になるほど強く、企業の収益力が高い。対する日本はどうか。この違いは、大学の水準の高さにある。日本の大学教育は、伝統的な教育システムであるOJTなどによって立ち後れた。もはや日本の状況は「危機的」と言わざるを得ない。
記事 金融政策・インフレ 口座管理法とは何か? マイナンバーで「タンス預金はもう無理」なのか 2024/05/10 マイナンバーと預貯金口座を紐付ける「口座管理法」が4月1日に施行されました。SNSでは「すべての口座が強制的に紐付けられる」との憶測も飛び交い注目を浴びましたが、実際の制度はどうなっているのでしょうか。法律が定められた経緯や、社会保険料の負担のあり方に関する与党内の議論とともに、改めて状況を整理してみましょう。
記事 収入・給与 日本の給料が「どの職種でもほぼ同じ」の根本理由、古すぎる「報酬決定メカニズム」 2024/05/06 米国では、ソフトウェアエンジニアといった職種の報酬が著しく高い。日本と比較すると、その差は4倍にも及ぶ。職種によって報酬額に差が見られるが、日本はどの職種もほとんど同じような額である。それはなぜなのか。そこには、日本と米国で大きく異なる報酬決定のメカニズムが関係してくる。
記事 金融政策・インフレ 日銀は「円安地獄×生活苦」を止められない?ちらつく打開策も副作用だらけの理由 2024/04/26 このところ急ピッチで円安が進んでいることから、金融正常化が前倒しされる可能性が出てきた。より踏み込んだ利上げは円安阻止の切り札とも言えるが、一方で企業倒産や住宅ローン破産の増加など副作用も大きい。
記事 デジタルバンク/ネオバンク/BaaS 開花するか「金融サービス仲介業」、「顧客本位」実現へ3つの課題と解決策とは? 2024/04/24 1つのライセンスで銀行・証券・保険にまたがるサービスの仲介業務が可能な「金融サービス仲介業」が施行されて2年半。当初の期待とは裏腹に現在、その登録企業はわずか9社にとどまる。この現状をどうみるべきか。日本金融サービス仲介業協会(JFIM)が都内で開いた事業者、金融機関向けセミナーでは、Scheeme 代表取締役CEOの杉守一樹氏、BIPROGY 戦略事業推進第二本部 事業開発プロジェクト長の根本 恒氏、GMOあおぞらネット銀行 執行役員の細田暁貴氏、矢野経済研究所 ICT・金融ユニット 主任研究員の山口泰裕氏、日本金融サービス仲介業協会 副会長の落合孝文氏と、金融庁 総合政策局 金融サービス仲介業室 課長補佐の宮島紀子氏(モデレーター)が登壇。金融サービス仲介業が提供するサービスの本質、組込型金融に向けた課題・展望について議論した。
記事 金融政策・インフレ 5割弱が答えた「博士を採用しない」理由、イノベーションを失った…日本の残念な真実 2024/04/22 日本企業からイノベーションが失われた。そのため、博士人材を増やすべきだとの意見が増えている。これは決して簡単な課題ではない。むしろ、博士号の取得者数は減少し、日本企業による採用も進んでいない状況だ。日本で今、何が起きているのか。
記事 金融政策・インフレ なぜ利上げしない?34年ぶり歴史的「円安」に立ち向かう、日銀の“ジレンマ” 2024/04/17 4月10日に発表された3月の米消費者物価(CPI)が市場予想を上振れたことで、FRBの利下げ観測が後退し、日米の金利差が拡大した。その結果、ドル円は154円付近で推移している。約34年ぶりの歴史的な円安が長引く中、為替介入の警戒感は高まっている。同時に、日銀が円安抑止を目的とする、いわゆる通貨防衛的な利上げに踏み切るとの見方も根強いが、日銀はいつ動き出すのだろうか。
記事 金融ガバナンス・内部監査 【新NISA】クレカ積立の上限「月10万」に、政府の「狙い」とその「副作用」とは? 2024/04/17 24年1月に始まった「新NISA」制度では、投資信託を非課税枠で定期購入できる「つみたて投資枠」の上限額が、旧つみたてNISAの3倍となる年間120万円に拡大したことが注目を浴びました。これに合わせて3月には、クレジットカードでの購入上限額も月間5万円から10万円へと引き上げられ、クレカ・証券各社が対応を進めています。実はこれまでも、法律上の決済上限は10万円でしたが、実務上は5万円にとどまっていました。なぜルールと実務のズレが生じ、どのような経緯で改正に至ったのか。投資家の保護と利便性向上のはざまで揺れてきた「投資信託のクレカ積立」について、上限額引上げ後の注意点を交えて整理します。
記事 金融政策・インフレ エヌビディアの強さでわかる「日本企業=弱小」のワケ、秘密は「特徴2つ」の深い関係 2024/04/08 米エヌビディアは、次の2つの点で典型的な米国企業だ。第1に設立者が米国生まれでないこと。第2に工場を持たないファブレス企業であること。これらは無関係のように見えて、深い関連がある。そして、「なぜ日本企業は弱いのか?」という疑問に対する答えにもなる。
記事 金融政策・インフレ 日銀の「追加利上げ」はいつか?インフレ加速で連続利上げは起きるのか?注目2点 2024/04/03 日銀は3月19日の金融政策決定会合で、マイナス金利の解除を決定した。その後の記者会見で植田総裁は、追加利上げの可能性を否定しなかった。春闘賃上げ率や、昨今の円安による物価高を踏まえると、日銀が追加利上げに踏み切る可能性は高い。ただ、現段階で日銀はそれをちゅうちょしているようだ。追加利上げの時期や今後のシナリオについて、藤代氏が解説した。
記事 金融ガバナンス・内部監査 新NISAで注目、「金融経済教育推進機構」と「認定アドバイザー」の正体 2024/04/01 2024年1月のNISA拡充で国民の投資への関心が高まる一方、資産規模に見合わない過大なリスクを取ったり、悪質な詐欺の被害に遭ったりして大切な生活資金を失う人が増える懸念も強まっています。金融庁はこうした潮流に対し、新組織「金融経済教育推進機構」の本格稼働に向けた準備を進めています。また、この「金融経済教育推進機構」が定める認定アドバイザーが家計のアドバイスを指南する役割を担うといいます。本稿では謎の多い「金融経済教育推進機構」と「アドバイザー」について詳説します。
記事 メガバンク・都銀 約17%も該当?これからメガバンクに冷遇される“ある客層”、選別がはじまる理由とは 2024/03/29 日銀が政策転換に踏み切ったことで、4月以降、企業の資金調達環境が激変する可能性が高まっている。実際の金利以上に銀行の動きは早く、企業は銀行との付き合い方について再考を迫られることになるかもしれない。
記事 金融業界グローバル動向 GDPは日本並み? でもシリコンバレーなどから「脱出」相次ぐカリフォルニアのヤバい影 2024/03/26 日本の名目GDP(国内総生産)が2023年の数値でドイツに抜かれ、4位に転落した。5位にはインド、6位には英国が迫る。人口減少が続く日本がインドに抜かれるのは時間の問題とされるが、実はインドに次いで大きな経済規模を誇る地域が、米国にある。それがカリフォルニア州だ。アップルやグーグルなど超大手IT企業が集積するシリコンバレーも同州にあり、その経済の強さは疑いの余地はないだろう。だが詳しく分析すると、意外な「影」の部分が浮かび上がってきた。日本はドイツに続いてカリフォルニア州にもGDPで抜かれるのか。
記事 金融政策・インフレ マイナス金利解除で「経済と賃金」はどうなる? 努力をやめた日本の「新しい姿」とは 2024/03/25 日本銀行は、3月18、19日の政策決定会合で、マイナス金利政策の解除を決定した。日銀による利上げは約17年ぶり。これまでは、過剰な金融緩和で円安が進み、企業利益が自動的に増加した。そして日本企業は生産性向上の努力を怠った。金利が上昇した時、日本経済はどのような姿を見せるのか。