これまでグローバル展開を図る日本企業が取り組んできたのは、日本あるいは欧米など先進国の市場を対象としたものづくりだ。しかしこれらの市場は90年代以降、あまり伸びておらず、特に最近では欧米市場も元気がない。
「この現状を認識できれば、従来市場だけに頼っていては、21世紀の日本のものづくりは非常に厳しいといえます」(朴氏)。
そこで重要となるのが、“新興国市場の消費者をいかに捉えることができるか”ということだ。世界全体を1つのマーケットと考えれば、新興国市場は中間所得者層(年間所得3000ドル~2万ドル)に相当する。いわゆるMOP(=Middle Of Pyramid)だ。14億人の市場規模を持つ。これに対してTOP(=Top Of Pyramid)に相当する先進国市場は、年間所得2万ドル以上/1.75億人の規模で、MOPの8分の1に過ぎない。そこで多くの日本企業は、海外での生産比率を高めており、海外売上高比率も伸びてきている。
「さらには現地開発拠点もどんどん増えているのが現状」(朴氏)で、中国やASEANなどの新興国市場への拠点展開が増加してきている。
こうした状況の中、海外市場で売れる商品づくりを実現するためには、何が求められるのか。
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