経理部門が実は最もシステム化が遅れている!?
会社の経理部門というと、会社の数字だけを追う“お堅い部門”で、けっして間違いは許されず、会社法や金融商品取引法、あるいは税法などの法律を遵守するため、日々、最新のシステムで厳格に管理・運用されている。そんなイメージが強いかもしれない。
ところが、多くの企業の経理業務の改革に携わってきたトラフィックエイジアの外波達也氏は「会社のシステムの中で、経理部門が最もシステム化が遅れている」と主張する。
「もちろん、経理にシステムは入っていますが、経理業務に限定されたシステムである場合がほとんどです。また、システムも単独のネットワークだったり、スタンドアロンだったりと、隔離されているケースが少なくありません。これは、たとえば経営者や従業員の給与情報など、会社にとって極めて重要な情報が含まれているためで、敢えて他部門から見えづらくされているのです。」
本来は、適切なセキュリティを確保すれば、まったく個別の独立したシステムを採用する必要はないのだが、そうはならない背景もあるという。
「経理責任者の多くは、銀行や業界・地域などに対して顔が利く、あるいは若年者では経験不足や個人の信用力・安定感の不足といった理由で50代、60代の方が選ばれる場合が多いでしょう。すると、どうしてもITには疎くなり、その結果、経理情報が漏れるのを嫌って、物理的に切ってしまおうという発想になりがちなのです。」
さらに外波氏は、次のように続ける。
「本来、経理の機能は会社全体の動きを数値に置き換えることです。したがって、経理部門は、能動的に現場の数値を拾いにいくべきです。しかし、そのような経理はほとんどいません。」
外波氏は、こうした経理に対する考え方を変えるだけで会社が劇的に良くなると主張する。
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