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  • 2017/06/21 掲載

JAL、何十年も変わらなかった業務を現場主導のアプリ開発で変革へ

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航空機整備は乗客の「安心と安全」の保証に直結するため、整備作業には国家資格が必要になる。また、運航整備は特殊な作業環境で航空機の発着の合間の限られた時間内に行わなければならない。さらに、作業中のコミュニケーションは紙と無線だけが頼りだった。一方、重要な任務であるがゆえに整備状況の管理負担も大きく、書類作業などが整備士の作業の4割を占めていた。「安心と安全」をさらに向上し、整備士の働きやすさを実現するにはやり方を変える必要があった。そこで、日本航空 (以下、JAL) の航空機整備を行うJALエンジニアリングは、現場主導のデジタル変革として最先端モバイルソリューションの開発に着手した。IBM Watson Summit 2017に登壇したJALエンジニアリング IT企画部長 西山 一郎氏がその内容を概説した。

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JALエンジニアリング IT企画部長
西山 一郎氏

「紙と無線」のコミュニケーション、膨大な非整備業務から脱するためのアプリ開発

 2009年にJALによる100%の出資のもと設立されたJALエンジニアリングは、JALの航空機の整備をすべて受け持っている。JALエンジニアリング IT企画部長 西山 一郎氏は、以前の同社の航空機整備のありようを「時間との戦い」「孤独との戦い」だったと振り返る。

 航空機整備の目的は航空機運航の安全性、定時性、快適性を常時提供できるよう、航空機の機能と信頼性を維持・向上することにある。

 整備には「機体整備」と「部品整備」の2種類がある。「機体整備」は各空港で航空機の発着間に実施する「運航整備」と、一定期間飛行機を止めて行う「点検重整備」に分かれる。

 運航整備は、航空機の到着後、整備士がその周りを一周し、バードストライクなどの異変がないか調べる「サークルチェック」、運航乗務員および客室乗務員から整備士が「ログブック」と呼ばれる日誌を受け取り、整備の要否を確認する作業などから構成される。

 整備作業には機種ごとに国家資格を持った整備士が当たる必要があり、運航整備については発着間の限られた時間に整備を完了させなければならないなど、多くの制約がある。

 さらに、同社の整備現場における情報コミュニケーションは、それまで紙と無線に限られていた。現場はほぼ個人作業で、何かあったときだけ無線で事務所と連絡を取る。マニュアル類は電子化されているが常にアップデートされるため、作業場に向かう度にバックオフィスにて必要箇所を印刷する。作業中に必要になった場合は、誰かに届けてもらう必要がある。

 また、整備記録の保管が国によって義務付けられているため、そのための書類作成やシステムへの入力など、業務時間の約4割がオフィスでの整備外作業に当てられていた。

 今以上に「安心と安全」を向上し、整備士の働き方を変えるため、同社は「運航整備」の分野を対象に、根本的な業務変革を目的としたモバイルアプリの開発に動き出した。

この記事の続き >>
・プロジェクトのコンセプトは「現場主導」「スマート、シンプル、スタンダード」
・モバイルバックエンドサーバを介して情報をやりとり
・サービスイン1週間以内に自然に定着

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