急成長するビジネスを支えきれない「人手に頼った」バックオフィス業務
プレミアムウォーターは、ミネラルウォーターを製造・販売している会社だ。ウォーターサーバーをレンタルし、自宅までミネラルウォーターを定期配送するサービスを展開している。事業本部 事業戦略部 広報 宣伝課 與風 明広氏は、同社の特長を次のように説明する。
「富士吉田や北アルプス、朝来、金城、南阿蘇を採水地とし、非加熱処理を施した天然水を扱っています。また、ウォーターサーバーの開発から製造・販売、アフターサービスまで一貫して提供していることも、弊社の強みです」(與風氏)
高品質の非加熱天然水、製販一体の経営、さらに昨今の自然災害を背景とする水の備蓄意識の高まりも追い風となり、ビジネスは急速に拡大。現在は、保有契約件数79万件(2019年2月末時点)と業界トップの地位を占めるまでに急成長した。
しかし、急成長の裏側では、「看過できない問題が発生していました」と、管理本部 事業管理部 事業管理課長 山口 佳奈氏は次のように語る。
「我々の部門は、バックオフィス業務を引き受けています。取次店の毎月の手数料集計、新規取次店との契約締結、お客さまの各種情報の収集・分析などさまざまな業務がありますが、顧客数の急増とともに限界が見えてきました。また、いずれの業務も属人化していたため、ある人は夜遅くまで残業しているのに、別の人はそうでもないといった状況が生まれ、従業員のモチベーションの観点からも問題になっていたのです」(山口氏)
月末月初の繁忙期間、新規の取次店対応を乗り切るには、人海戦術に頼るしかなかった。もちろん、業務の属人化を脱却するためITによるシステム化も検討していたが、スピード面やコストでなかなか最適なソリューションが見つからなかったという。
そんな中、同社の目にとまったのが「RPA」(Robotic Process Automation)、人間の作業を代行するソフトウェアロボットだった。
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・RPA製品を徹底的に比較、最優先したのは「現場が抵抗感なく持続的に使えること」
・自動化する業務を51項目リスト化、現在8項目ですでに「76時間/月」削減
・RPA活用のため「業務の見直し」が自然発生、社員の意識が大幅に変化