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  • 2021/10/25

一橋大 名和教授が語る「勝ち続けるための条件」、企業が実践すべき新SDGs+Pとは?

2015年、国連サミットで持続可能な世界を実現するための国際社会共通の目標「SDGs(Sustainable Development Goals)」が採択されて以降、各国企業のSDGsの取り組みは加速した。しかし、「SDGsの目標に沿った経営をするだけでは勝ち続けることは難しい」と指摘するのは、一橋ビジネススクール 国際企業戦略専攻 客員教授で、ファーストリテイリングや味の素などの社外取締役も務める名和高司氏だ。同氏に、勝ち続けることができる企業になるためのポイントを解説してもらった。

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一橋ビジネススクール
国際企業戦略専攻
客員教授
名和高司 氏
1980年東京大学法学部卒業後、ハーバード・ビジネススクールにてMBA取得。三菱商事を経て、91年マッキンゼー・アンド・カンパニー入社。ディレクターとして、自動車・製造業分野におけるアジア地域ヘッド、ハイテク・通信分野における日本支社ヘッドを歴任。2010年から現職。デンソー(~2019年)、ファーストリテイリング、味の素、 NECキャピタルソリューションズ、SOMPOホールディングス(いずれも現任)の社外取締役を務める。近著に『経営変革大全』、『稲盛と永守』(いずれも日本経済新聞出版)、『パーパス経営』(東洋経済新報社)などがある

SDGsだけでは生き残れない、重要なのは「新SDGs+P」

 「SDGs(Sustainable Development Goals)」とは、2015年9月に国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」の柱として掲げられた国際社会共通の目標だ。持続可能な世界を実現するための17のゴール(目標)、169のターゲットから構成されており、国連に加盟する193の国・地域が2030年を期限に達成を目指し取り組んでいる。

 こうして各国のSDGsの目標達成に向けた取り組みが加速する中、SDGsに取り組まない企業は、サプライチェーンから外されたり、投資対象から外されたりする可能性も出てきている。SDGsに背を向ける企業に、未来はないかもしれないのだ。

 ただし、一橋ビジネススクール 客員教授の名和高司氏は、「SDGsの目標達成に向け各企業が取り組んでいますが、これはあくまで“規定演技”。それに加えて必要なことが、“自由演技”によって自らの独自性を打ち出すことであり、それができなければ勝ち残れません。そのために私が提案しているのが『新SDGs+P』という新しい考えです」と指摘する。

 名和氏が提案する「新SDGs」とは、「S:Sustainability」「D:Digital」「G:Globals」の3つを意味する。

「SDGsと同じくSはサステナビリティを指し、これを追求することが重要になるのですが、その際、本業と関わりのない事業を通じてサステナビリティを追求しても、利益は出せず、苦しくなるだけでしょう。そこで、経済的価値も追及できるようにするためのツールとしてデジタルが重要になります。さらに国内にとどまらず、もう一度外に向かうべきという意味で『Globals』を付けています。複数形になっているのは、米中摩擦などで分断された世界をもう一度、結びつけるという意味からです」(名和氏)

 そして、「新SDGs」におけるSとDとGそれぞれの核となる要素として、「P:Purpose」がある。このパーパスとは、企業が存在する目的、存在意義、志といった意味だ。ただし、それは単に創業の理念に立ち返るということだけを意味しない。

「原点回帰は大切ですが、創業の理念を時代に合わせて変化させることが重要です。私はそれを『Pivot』と呼んでいます。軸足は創業の理念に置き、もう1つの足はもっと自由に展開する、つまり『P』には『パーパス』と『ピボット』の2つの意味があります」(名和氏)

 なお、名和氏は、カーボンニュートラルの盛り上がりを受けて、サステナビリティを安易にパーパスにしようとする昨今の企業の動きにくぎを刺す。「再生エネルギー関連や新しいケミカル、オーガニックのような新たな素材を研究している企業でもないかぎり、ほとんどの企業にとって、サステナビリティはパーパスにはなりえません。サステナビリティは各社共通の規定演技ですが、パーパスは会社によって異なるはずだからです」(名和氏)

 ここからは、名和氏の「新SDGs+P」を基に、日本企業の弱点や強みを整理しつつ、新常態を勝ち抜くためのポイントを解説する。

この記事の続き >>
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・「京セラ・稲盛氏」「日本電産・永守氏」「富士フイルム・古森氏」の共通点
・本当にソニーが凄いと言える理由
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