中堅・中小企業が直面する3つの課題
──中堅・中小企業がERPの導入や入れ替えを考える動機とは何でしょうか?
岩上氏:大きく3つに分けられます。1つ目はコスト削減です。中堅・中小企業の場合、特に管理会計が適切に行われていない場合があり、それを何とかしたいという思いがあります。また調達コストの原価管理でもニーズが高いですね。2つ目は、マイナンバー対応、消費税率変更など、法整備への対応が挙げられます。3つ目は海外展開やモバイル対応といった攻めの投資、新規分野を拡げる狙いからの導入です。
常岡氏:お客さまが意識していると感じるのは属人化された業務の扱いです。たとえば最近の関西の案件としては、メインフレームなどレガシーシステムで基幹系が稼働しているお客さまで、システム担当者が辞めた後の運用に課題を抱えて、システムの入れ替えを検討される場合が増えています。
石出氏:一昔前はパッケージに業務を合わせることに負荷を感じる声もあったのですが、今は業務が属人化しすぎてしまったので、パッケージのストーリーに業務プロセスを寄せたいというお客さまも増えています。従来は属人化しても人海戦術で乗り切っていたものの、それでは成長スピードに追いつけず、限界がきてリプレースするという流れです。
──アナリストの視点から見て、中堅・中小企業のERPの移行について何か変化を感じますか?