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2018年01月30日
 デンソー成迫氏:デジタル時代のデータ戦略、なぜ社内にシリコンバレーが必要だったのか

ITを活用したビジネス変革への取り組みとして、デジタルビジネスの創造を検討する企業が増え、「デジタルビジネス推進室」といった組織を設置する動きもある。しかし、アイデアを創出するプロセスが定まらず、暗中模索している企業も少なくない。今回は、デンソー 技術開発センター デジタルイノベーション室長 成迫 剛志氏に、データを活用した新しいビジネスの創出に何が求められるのか、またどう推進していくべきかについて話を聞いた。

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デンソー 技術開発センター デジタルイノベーション室長 成迫 剛志氏

明治大学経営学部を卒業後、日本IBM、伊藤忠商事、香港のIT事業会社社長、SAPジャパン、中国方正集団、ビットアイル・エクイニクスなどを経て、2016年8月デンソーに入社。コネクティッドカー時代のIoT推進を担当し、2017年4月にはデジタルイノベーション室を新設、同室長に就任。


100年に一度の大変革、競合ではないと思っていた企業が急に競合になる

──IT業界にいた経験などを踏まえて、現在はどのようなことに取り組んでいるのでしょうか?

成迫氏:現在はIT業界でやってきたこと、特に「クラウド事業でやってきたことをデンソーにどう取り込むか」という部分に専念しています。

 その中でもデータに対する取り組みとしては、現在のトレンドでもある「IoT(モノのインターネット)」への取り組みが挙げられます。デジタルとリアルがつながる「デジタルツイン」や「CPS(Cyber Physical System)」、「シャドー(注:デジタル世界のこと)」といった言葉が登場してきて、こうした取り組みの重要性が理解されるようになりました。

 デジタルビジネスとは結局、リアルなデータがシャドーに入って、シャドーでさまざまなビジネスが成立したり、新しいサービスや価値が生まれることではないでしょうか。

 それに対して、一般的な企業でも自社にその分野の技術や知見がないといったことや、文化・スピード感が違うといった危機感を手伝って、デジタルへの取り組みを始めています。この点は自動車関連産業にとどまらず、人々の生活のほとんどがデジタルとリアルの双方にまたがるようになったことで、ビジネス環境が大きく変革しつつあることと同じだと感じています。

 自動車を例に挙げると、移動するもの、移動に関するもの、すべてのデータがサイバー空間上で再現できるようになりました。すると、もともとサイバー上でビジネスを行っていた企業は、そのままサイバーに上がってきているリアル側のデータを使って、新しい価値を生み出すことが可能になっています。

 これは、IT業界から来た私の視点からすると、(デジタルがリアルに入ってきたというよりも)リアルの世界の出来事がデジタルの世界に入ってきたというイメージです。さらに各種のセンサー機器がリアルな世界をデジタルに持ち込む役割を担っています。

 そういう環境が整いつつあり、必然的にサイバー空間で多様なビジネスが展開され、自動車業界では「100年に一度の大変革」と言われる時代となりました。その結果、今まで競合だと思っていなかった会社が、急に競合になる、しかもグローバルなITジャイアントまでもが、ものづくり企業の競合になり得る世界になりました。

シリコンバレー流のやり方を実践しようと立ち上がった

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