- 2025/12/01 掲載
【ChatGPT】取扱説明書はもう探すな! 家電・スマホの困りごとを「秒殺できる神テク」(3/3)
連載:野口悠紀雄のデジタルイノベーションの本質
取扱説明書は「時代とともに陳腐化」
これまでの家庭電化製品には、紙に印刷した取扱説明書がついていた。しかし、スマートフォンには、もともとそうした説明書がない。スマートフォンの機能があまりに多いため、説明すべき事項が多すぎて、紙の取扱説明書では対処できない状態になっているのだ。そこで、メーカーによる公式の説明書がWeb上で提供されている。それに加え、多くの利用者がさまざまな情報をWebに提供している。
しかし、必要な情報があまりに多いために、うまく対応するのは難しい。特に問題なのは、同一製品であってもOSの更新で画面・手順が変わるため、説明書に書いてあることと実際の製品の表示が一致しない場合もあることだ。
たとえば、「画面上方にあるボタンを押せ」という指示があるのだが、画面をいくら探しても、該当するボタンが見つからない。つまり説明書が急速に陳腐化してしまい、使えなくなってしまうのだ。
取扱説明書が急速に陳腐化するのは、技術進歩のスピードがあまりに速くなってしまったためだ。しかも、トラブルが生じる原因も複雑化している。どのような使い方をしたかによって、解決の方法も異なるだろう。ある意味で、我々は普通の人間の能力を超える機械を操作しているのだ。
メーカーの競争力は「ハード性能」から「何」に変わるか
一方、紙の取扱説明書も、Webにある説明書も、情報をメーカーからユーザーに一方向的に与えるだけであって、ユーザーの情報をメーカーに伝えることができない。しかしスマートフォンの場合には、ユーザーがどんな状況下で問題を抱えているかという情報が重要なのである。こうした事態に対処する方法は、個別の端末状態に合わせた解決策を提示できる対話型AIアシスタントによる取り扱い説明と、トラブル対処支援しかあり得ないだろう。本来は、そうしたサービスをメーカーが提供すべきだ。
将来は、そうしたサービスをメーカーが提供していくようになるだろう。優れたサービスを提供するメーカーが、ハードウェアは同じであっても、消費者に選ばれるだろう。つまり将来の競争は、「ハードの性能」というよりは、「AIベースのサポート品質」で決まるようになる。
しかし、現在時点では、そうしたサービスは十分に提供されていない。そこでChatGPTにその代理役を求めるのである。
操作方法やトラブル解決法をChatGPTに尋ねると、多くの場合に、詳しい情報を得られる。ChatGPTはその名が示す通り会話形式なので、個々のユーザーが抱えている問題を、ChatGPTに詳しく伝えることができるからだ。
以上では、スマートフォンの利用方法やトラブル対策について述べた。
同様の問題が、PCでも起こる。PCの場合には、ハードウェアと基本ソフトが別の企業によって提供されている場合があるので、問題はさらに複雑だ。この問題に対処するためにメーカーは相談窓口を設けているが、決して十分なものとはいえない。
さまざまなWebサイトの利用方法についても、同様のことが言える。たとえば、どうやってログインするのか、説明が不親切で途方に暮れる場合が多い。この問題については、別の機会に論じることとしたい。
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