優秀人材が次々離職…根本原因「人事データバラバラ問題」、清水建設も実践した解決法

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多くの企業でDX推進が叫ばれる一方、人事領域では依然として紙やExcelベースの煩雑な業務が残っている。従業員の能力を十分に活用できない中、労働人口の減少と人材流動化の加速も相まって、優秀人材の採用難と離職につながるケースが散見される。人材定着という観点においても、戦略的な人材マネジメントが重要になってきている。ではどう実現すべきなのか。清水建設の事例などとともに解説する。

人材マネジメントはどうしたら成功するのか

（Photo/Shutterstock.com）

人事DXの遅れが招く「優秀人材の離職リスク」

　従来の人事業務では、スキルや経験といった貴重な人材データが部門ごとに分断され、適切な人材配置や育成計画の立案ができていないのが現状だ。こうした人材情報の散在は企業の競争力低下に直結してしまう。結果として、優秀な人材の離職や、組織全体のパフォーマンス低下を招くリスクが高まっている。

　さらに、労働市場の急激な変化は企業にとって深刻な問題だ。労働人口の減少による採用難とともに、人材の流動性も激化する中、人材の定着がより求められるようになった。そのため従業員1人ひとりのデータを活用した戦略的な人材マネジメントが必要となるが、多くの企業では「やらなければいけないが後回しになっている」のが現状だ。

　たとえば清水建設では、1万名を超える従業員を抱えながら、評価シートの回収や問い合わせ対応に膨大な工数がかかり、人事担当者が本来の戦略業務に集中できない状況が続いていた。特に清水建設のように拠点が多岐にわたる企業では、紙ベースの評価システムでは限界があり、「誰がどんなスキルを持っているか」を組織全体で把握することが困難になっている。

　では、限られたリソースの中で効率的な人材活用を実現するには、何が必要なのか。

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