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伊藤忠商事が挑んだ国内・海外45拠点のSAP刷新、大改革の全貌と「AIX-Ready」なERPの正体
老朽化した基幹システムをどう刷新し、AI活用への土台を築くか。伊藤忠商事はこの問いに対し、国内外それぞれ異なるアプローチでSAP S/4HANA化を断行し、国内を2018年5月、海外拠点全45拠点への展開を2026年4月に完了させた。そのプロジェクトの全貌と、データ活用・AI戦略の展望を、同社 IT・デジタル戦略部 全社システム室長の髙松健太郎氏が明かした。「延命か、刷新か」──経営リスクと向き合った決断
伊藤忠商事では当時、国内基幹システムにおいて主に4つの課題を抱えていた。一晩明けなければ損益状況が把握できないリアルタイム性の欠如、保守の属人化とブラックボックス化、営業からの新規要望をタイムリーに実装できず費用もかさむというユーザー部門の負担、そしてSAP ECCの保守期限(EOSL)の到来だ。
一方の海外基幹システムでは、25カ国にSAPを導入していながら、モディフィケーション(システムへの直接改造)やアドオンが膨れ上がり、ERP本来のメリットである「データ発生主義(取引が発生した時点でリアルタイムに記録する考え方)、ビジネス機能拡張」を十分に享受できていない状態に陥っていた。
「課題を抱えたまま延命を続けること自体が、次世代に向けての経営リスクと認識し、国内・海外ともにシステムの再構築を社内決定しました」(髙松氏)
この決断の背後には、単なるシステム更新を超えた戦略的な意図があった。伊藤忠商事が掲げるデジタル戦略の核心は、長期経営方針の骨子である「継続的な企業価値向上」に向けた「地に足のついたAIX(AIトランスフォーメーション)」だ。その実現には「堅牢なデジタル経営基盤」が不可欠であり、基幹システムの刷新はまさにその土台を整える取り組みだったのだ。
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・国内は「移行」、海外は「新規」──なぜアプローチを分けたのか
・6年間・45拠点に及んだ海外展開を可能にした「標準化の徹底」とは
・データ活用組織「BICC」が生み出した、“年158人分”の余力創出
・AIエージェント適用へ向けた今後のロードマップと「AIガバナンス」の重要性
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